診療報酬・診療報酬改定

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2024.01.22

2024年(令和6年度)診療報酬改定 医院・クリニック向けの最新動向を解説!【24年1月22日更新】

 

<目次>

  1. 診療報酬は何年ごとに改定される?2024年(令和6年度)診療報酬改定の位置付け
  2. 2024年(令和6年度)診療報酬改定のスケジュール
  3. 2024年(令和6年度)診療報酬改定の注目テーマ

 

1.診療報酬は何年ごとに改定される?2024年(令和6年度)診療報酬改定の位置付け

 

診療報酬改定は日々の診察にともなって算定される初診料・再診料などの基本診療料、診療科目ごとの処置などに伴う加算や生活習慣病管理料などの各種管理料などの特掲診療料等の見直しのことで、クリニック経営に非常に大きな影響を与える制度変更です。

 

診療報酬改定は通常2年に1回行われますが、2024年(令和6年度)の診療報酬改定は医療の診療報酬に加えて、介護報酬、障害福祉の報酬改定(3年に1回の改定)も同時に行われるいわゆるトリプル改定となります

 

また2024年度は、

・第8次医療計画が開始する:医療計画の基本方針を示すもので6年に1回見直される
・医師の働き方改革が段階的に開始される

などの医療業界全体に大きな影響を与える政策も同時に開始される年でもあります。

 

上記のような観点から、2024年(令和6年度)診療報酬改定は医院・クリニック経営にも大きな影響を与える可能性があり、その動向を注視することが大切です。

 

2.2024年(令和6年度)診療報酬改定のスケジュール

 

それでは診療報酬改定はどのようなスケジュールで行われるのでしょうか?

 

診療報酬改定に関する議論を行う厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)から以下のようなスケジュール案が発表されています。
検討スケジュール案

 

医院・クリニックの院長先生に抑えておいて欲しいスケジュールの概要は以下になります。

・2023年4月から診療報酬、薬価、医療材料など専門部会に分けて報酬改定議論が開始される。
・2023年12月までに専門部会での議論が集約され、12月中に報酬改定の基本方針が発表される。
・2024年2月上旬までに点数なしの個別改定項目(いわゆる短冊)が公表される。
・2024年3月上旬までに点数変動も含めた全ての改定項目が公表される。
・2024年6月1日より改定後の診療報酬へ移行する。
・報酬改定後複数回に分けて改定内容に対するQ &Aである疑義解釈資料(前回改訂では計49回)が公表される。

例年通りであれば上記のようなスケジュールで診療報酬改定に関する情報が公開されます。

令和6年度診療報酬改定は6月1日施行

2024年診療報酬改定はこれまでの4月1日施行から2ヶ月後ろ倒しされ、6月1日施行となることとなりました。

2ヶ月後ろ倒しとなった主な理由としては下記のようなものが挙げられています。
・非常に短期間で保険請求のシステム改修を行わなければならず、特にシステムベンダの負担が集中する
・4月1日の施行後も疑義解釈などによっては追加対応を行わなければならない

 

現在進められている医療DX政策の中で、2年に一回の報酬改定にシステムベンダや医療機関の負担が軽減されるための取り組みとして提案され、それが了承されたということになります。

3.2024年(令和6年度)診療報酬改定の改定率

2023年12月20日に2024年(令和6年度)診療報酬改定の改定率が発表され、

診療報酬の改定率は+0.88%、薬価は−1.00%の改定率となりました。

過去3回の診療報酬本体の改定率を見てみると、2018年+0.55%、2020年+0.55%、2022年+0.43%でしたので、

2024年(令和6年度)は診療報酬本体は過去3回から比べると大幅なプラス改定となりました。

次回改定率の細かい内訳も見ていきましょう。

各科の改定率は下記の通りとなっています。

・医科:+0.52%

・歯科:+0.57%

・調剤:+0.16%

中医協の資料を見ると、プラスになった要因として勤務医師や看護師などの職員の賃上げ対応分が多くを占めており、

クリニックの診療報酬にダイレクトに関わってきそうな部分では「生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化:−0.25%」との記載があるため注意が必要です。

参照:2023年12月20日中医協資料「診療報酬改定について

4.2024年(令和6年度)診療報酬改定の注目テーマ

 

2024年(令和6年度)診療報酬改定において医院・クリニックに影響のある項目はどのようなものでしょうか?

 

現状公表されている資料等から下記に注目テーマを記載したいと思います。

・2025年をターゲットに進められてきた地域包括ケアシステムについて、2025年以降はどのような指針が示されるのか?
かかりつけ医について具体的な制度創設等はあるのか?
・オンライン資格確認、電子処方箋と続けて打ち出されてきた医療DXについての取り組みは今後どのようになるのか?
・オンライン診療やAIの医療への活用等、診療面での医療DXの今後の方向性
・全国的には今後さらにニーズが拡大するであろう在宅医療をどう充実させるのか?

次回報酬改定に向けては本格的な議論は始まったばかりですが、2024年(令和6年度)診療報酬改定はさまざまな要因が重なるタイミングということを考えても、非常に重要な改定になる可能性が高いと言われています。

 

 

本コラムが少しでもお役に立てれば幸いです。

 

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