診療報酬・診療報酬改定

内科

2024.04.10

特定疾患処方管理加算とは

本記事は「特定疾患処方管理加算」について、経営コンサルタントの武田が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

<目次>

  1. 特定疾患処方管理加算とは
  2. 特定疾患処方管理加算の算定要件
  3. 特定疾患処方管理加算の対象疾患
  4. 特定疾患処方管理加算の施設基準
  5. まとめ

 

1.特定疾患処方管理加算とは

 

特定疾患処方管理加算は、厚生労働大臣が定める特定の疾患を主病とする患者に対し、薬の処方または処方箋の発行を行なった場合に処方料または処方箋料に加算が可能です。
2024年度(令和6年度)診療報酬改定において、対象疾患の変更や従来の特定疾患処方管理加算1の廃止、特定疾患処方管理加算2の算定要件と名称の変更など大きな変化がありました。
また本加算は生活習慣病に係る加算の一つであり、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)特定疾患療養管理料などと関わりが深く注目が高まっています。

 

生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)についてはコチラ
特定疾患療養管理料についてはコチラ

 

2.特定疾患処方管理加算の算定要件

 

特定疾患処方管理加算の診療報酬点数

処方料・処方箋料
特定疾患処方管理加算56点

算定要件

処方料

5 診療所又は許可病床数が200床未満の病院である保険医療機関において、入院中の患者以外の患者(別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに限る。)に対して薬剤の処方期間が28日以上の処方を行った場合は、特定疾患処方管理加算として、月1回に限り、1処方につき56点を所定点数に加算する。

処方箋料 

4 診療所又は許可病床数が200床未満の病院である保険医療機関において、入院中の患者以外の患者(別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに限る。)に対して薬剤の処方期間が28日以上の処方(リフィル処方箋の複数回の使用による合計の処方期間が28日以上の処方を含む。)を行った場合は、特定疾患処方管理加算として、月1回に限り、1処方につき56点を所定点数に加算する。

算定要件のポイント

処方料・処方箋料
通知
(9)
ア:特定疾患処方管理加算は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、プライマリ機能を担う地域のかかりつけ医師が総合的に病態分析を行い、それに基づく処方管理を行うことを評価したものであり、診療所又は許可病床数が200床未満の病院においてのみ算定する。
イ:処方期間が 28日以上の場合は、特定疾患処方管理加算として、月1回に限り1処方につき 56点を加算する。
なお、同一暦月に処方料と処方箋料を算定する場合にあっては、処方料又は処方箋料のいずれか一方の加算として月1回に限り算定する。
ウ:処方期間が 28日以上の場合の加算は、長期投薬の際の病態分析及び処方管理の評価の充実を図るものであり、特定疾患に対する薬剤の処方期間が 28日以上の場合に算定する。ただし、当該患者に処方された薬剤の処方期間が全て28日以上である必要はない。
エ:主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであり、2以上の診療科にわたり受診している場合においては、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科においてのみ算定する。
オ:特定疾患処方管理加算は初診料を算定した初診の日においても算定できる。
カ:投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護等に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても算定できる。

3.特定疾患処方管理加算の対象疾患

 

特定疾患処方管理加算は別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して月1回まで算定可能です。
対象疾患には、

・結核
・悪性新生物
・甲状腺障害
・処置後甲状腺機能低下症
・スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害
・ムコ脂質症
・リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症(家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限る。)
・リポジストロフィー
・ローノア・ベンソード腺脂肪腫症
・虚血性心疾患
・不整脈
・心不全
・脳血管疾患
・一過性脳虚血発作および関連症候群
・単純性慢性気管支炎および粘液膿性慢性気管支炎
・詳細不明の慢性気管支炎
・その他慢性閉塞性肺疾患
・肺気腫
・喘息
・喘息発作重責状態
・気管支拡張症
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃炎及び十二指腸炎
・肝疾患(経過が慢性なものに限る。)
・慢性ウイルス肝炎
・アルコール性慢性膵炎
・その他慢性膵炎
・思春期早発症
・性染色体異常
・アナフィラキシー
・ギラン・バレー症候群

などが挙げられます。

 

また、特定疾患処方管理加算と同時に算定されることの多い特定疾患療養管理料についても、対象疾患は同様のものを対象としています。

 

特定疾患療養管理料についてはコチラ

 

4.特定疾患処方管理加算の施設基準

 

特定疾患処方管理加算ついては、届け出が必要な施設基準はありません。

 

5.まとめ

 

令和6年度診療報酬改定において、特定疾患処方管理加算1として18点が算定できていましたがこちらは廃止され、また特定疾患処方管理加算2として66点が算定できていましたがこちらは56点に引き下げられました。
また対象疾患も「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」が除外され、経営への影響が大きくなると予想されます。本加算は生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)特定疾患療養管理料とも関りが深い加算となりますので今一度算定要件などをしっかり抑え、経営に役立てていただければと思います。

 

生活習慣病管理料について詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

本記事についてより詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

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