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2021.10.21

外来管理加算の概要【2024年6月更新】

本記事は「外来管理加算の概要と処方におけるコロナ禍での時限的措置」について、主任経営コンサルタントの箱田が医師のために記載した文書です。

 

より詳しく知りたい先生はこちらからお問合せ下さい。

 

 

<目次>

  1. 外来管理加算とは
  2. 加算要件
  3. 処方のみの患者様への対応と外来管理加算の算定可否
  4. まとめ

 

 

1. 外来管理加算とは

 

厚生労働省発表の令和2年診療報酬点数表に以下のように記載されております。

 

参照元:令和2年診療報酬改定 <第1章>初・再診料 第2節 再診料  注8

 

つまり、入院していない2回目以降に受診される一般の患者様で、慢性疼痛疾患管理料(130点)を取っておらず、一定の処置や検査、手術、麻酔、放射線治療などを実施していない場合に再診料とは別に加算ができる点数になります。

 

外来管理加算を「算定できない」検査には次のようなものが該当します。

  • 超音波検査等
  • 脳波検査等
  • 神経・筋検査
  • 耳鼻咽喉科学的検査
  • 眼科学的検査
  • 負荷試験等
  • ラジオアイソトープを用いた諸検査
  • 内視鏡検査

また、情報通信機器を用いた再診、生活習慣病管理料(Ⅰ)、生活習慣病管理料(Ⅱ)においても外来管理加算は算定できません。

  

 ■外来管理加算の診療報酬点数   52点

 

 

2. 加算要件

 

外来管理加算を算定するには、医師が丁寧な問診と詳細な身体診察を行いそれらの結果を踏まえて患者に対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するための取り組みを行う必要があります。

 

ポイント

(1) 問診し、患者の訴えを総括する。
(2) 身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等を行う。
(3) これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。
(4) 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取り組みを行う。

 

3. 処方のみの患者様への対応と外来管理加算の算定可否

 

継続的な投薬のみ必要な患者様から「薬だけ欲しい」というお問合せがあり対応に困られている医院様もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

これに関しては、医師法第20条(無診察治療等の禁止)にあるように医師自ら診察せずに処方箋を交付することは原則禁止されています。

 

一方で令和2年診療報酬点数表の通知にこのような記載があります。

参照元:令和2年診療報酬改定 医科診療報酬点数表に関する事項 

 

イに該当する診療行為とは先述した4つのポイントのことです。

 

処方に関して要点をまとめると以下のようになります。

  • 原則はご本人が来院し、医師と対面診察をする必要がある。
  • 看護者(ご家族)の方でもご本人が来院が難しいなどやむを得ない場合などであれば、看護者と医師の対面診察があれば処方することは可能。
  • 簡単な症状の確認のみの場合は、多忙等の理由があれば処方は可能だが、多忙等の判断基準が不明確。

 

また、外来管理加算について以下の場合には算定できません。

 

  • ご本人、看護者(ご家族)問わず簡単な症状確認のみ場合
  • 看護者(ご家族)の医師対面での症状確認の場合

 

4. まとめ

 

今回は外来管理加算の概要についてお話させていただきました。

 

前述しました外来管理加算の加算要件ポイントを理解した上で算定するようにしましょう。
一方、外来管理加算は医師が直接診察を行わないと処方ができないという原則があります。
ご本人の来院が難しいなどやむを得ない場合でも、再診料は算定できるが外来管理加算を算定することはできないため注意が必要です。

 

また、2024年の診療報酬改定で生活習慣病管理料(Ⅰ)及び生活習慣病管理料(Ⅱ)と外来管理加算の併算定ができなくなりました。