診療報酬・診療報酬改定
小児科
内科
2022.08.18
地域連携小児夜間・休日診療加算について
本記事は「地域連携小児夜間・休日診療加算」について、チーフ経営コンサルタントの多田が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1. 地域連携小児夜間・休日診療加算とは?
地域連携小児夜間・休日診療加算とは、保険医療機関が地域の小児科を専ら担当する診療所その他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、小児の救急医療を確保するために、夜間、休日又は深夜に小児の診療が可能な体制を保つことを評価したものです。
地域連携小児夜間・休日診療加算の診療報酬については以下の通りです。
・地域連携小児夜間・休日診療加算1 450点
・地域連携小児夜間・休日診療加算2 600点
2. 地域連携小児夜間・休日診療加算の施設基準と算定要件
地域連携小児夜間・休日診療加算を算定するには、以下の施設基準と算定要件を満たすことと、厚生局への届出が必要になります。
施設基準については以下の通りとなります。
【施設基準】
<地域連携小児夜間・休日診療加算1に関する施設基準>
(1)小児を夜間、休日又は深夜において診療することができる体制を有していること。
(2)夜間、休日又は深夜に小児科を担当する医師(近隣の保険医療機関を主たる勤務先とするものに限る。)として3名以上を届け出ており、うち2名以上は専ら小児科を担当する医師であること。
(3)地域に、夜間、休日又は深夜であって小児の救急医療の確保のために当該保険医療機関があらかじめ定めた時間が周知されていること。
(4)緊急時に小児が入院できる体制が確保されていること又は他の保険医療機関との連携により緊急時に小児が入院できる体制が整備されていること。
<地域連携小児夜間・休日診療加算2に関する施設基準>
(1)小児を24時間診療することができる体制を有していること。
(2)専ら小児科を担当する医師(近隣の診療所等の保険医療機関を主たる勤務先とするものに限る。)として3名以上を届け出ていること。
(3)地域に、小児の救急医療の確保のために当該保険医療機関が6歳未満の小児を24時間診療することが周知されていること。
(4)緊急時に小児が入院できる体制が確保されていること又は他の保険医療機関との連携により緊急時に小児が入院できる体制が整備されていること。
地域連携小児夜間・休日診療加算1と2の大きな違いは、診療できる体制が24時間を有しているかどうかということです。
また、地域連携小児夜間・休日診療加算1では、届出を行う3名以上の医師のうち2名以上が小児科医でないといけませんが、地域連携小児夜間・休日診療加算2では、3名以上が小児科医でないといけません。
次に算定要件について掲載したします。
【算定要件】
(1) 地域連携小児夜間・休日診療料は、保険医療機関が地域の小児科を専ら担当する診療所その他の保険医療機関の医師と連携をとりつつ、小児の救急医療の確保のために、夜間、 休日又は深夜に小児の診療が可能な体制を保つことを評価するものである。
(2) 地域連携小児夜間・休日診療料1については、夜間、休日又は深夜であって、保険医療機関があらかじめ地域に周知している時間に、地域連携小児夜間・休日診療料2について は、保険医療機関が24時間診療することを周知した上で、夜間、休日又は深夜に、それぞれ6歳未満の小児を診療した場合に算定する。
(3) 地域連携小児夜間・休日診療料は、夜間、休日又は深夜に急性に発症し、又は増悪した6歳未満の患者であって、やむを得ず当該時間帯に保険医療機関を受診するものを対象としたものである。したがって、慢性疾患の継続的な治療等のための受診については算定できない。
(4) 夜間、休日又は深夜における担当医師名とその主たる勤務先について、予定表を作成し院内に掲示するものとする。
(5) 地域連携小児夜間・休日診療料を算定する場合にあっては、診療内容の要点、診療医師名及びその主たる勤務先名を診療録に記載するものとする。
(6) 一連の夜間及び深夜又は同一休日に、同一の患者に対しては、地域連携小児夜間・休日診療料は原則として1回のみ算定する。なお、病態の度重なる変化等による複数回の受診 のため2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。
(7) 入院中の患者については、地域連携小児夜間・休日診療料は算定できない。ただし、患者が地域連携小児夜間・休日診療料を算定すべき診療を経た上で入院した場合は、算定で きる。
(8) 患者本人が受診せず、家族などに対して指導等を行った場合には、当該診療料は算定できない。
(9) 地域連携小児夜間・休日診療料は地域の夜間・急病センター、病院等において地域の医師が連携・協力して、診療に当たる体制を評価したものであり、在宅当番医制で行う夜間・休日診療においては算定できない。
(2)に記載がるように、当該診療料は6歳未満の小児の対面対象が対象となります。
そのため、(8)に記載があるように、患者本人が受診せずに保護者のみの受診の場合は、当該診療料の対象にはなりません。
また、(3)に記載があるように慢性疾患の受診も対象外となります。
また、入院中の患者は当該診療料の対象にはなりませんが、診察の結果、即入院となる場合は算定の対象となります。
(4)に記載があるように、当該診療を算定する場合は、夜間・休日診療の旨を周囲に告知する必要がり、院内にも診療の予定表を掲示する必要があります。
3. 算定における注意事項
当該診療料は、基本1日1回の算定となります。
また、地域連携小児夜間・休日診療加算は小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料に係る費用には含まれないため、別途算定することが可能です。
4. まとめ
ここまで地域連携小児夜間・休日診療加算について述べてきましたが、ポイントをまとめると
・地域連携小児夜間・休日診療加算は届出が必要
・3名以上の医師の登録が必要
・夜間・休日診療の予定表を掲載
・6歳未満の小児が対象で、保護者のみの受診は対象外
・小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料とは別途算定が可能
となります。
この記事が今後の医院経営のお役に立てれば幸いです。