クリニックのDX化
本記事は「クリニックのDX化」について、経営コンサルタントの神前が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1. DX化とIT化の違い
医療に限らず、以前からDX化という言葉をよく耳にします。
IT化との違いは、IT化が生産性向上を「目的」としたIT導入やデジタル化(紙カルテを電子カルテに切り替える等)であることに対し、DX化はIT化を「手段」としてビジネスモデルの変革を行うものだという点です。
例えば、問診票や病歴などのデータをリアルタイムに電子カルテと連携することで、カルテへの転記作業に要していた時間を患者さんの治療方針を考える時間や他の患者さんの診療に充てることができ、患者満足度向上(患者個々に合わせた治療の提供)や診療効率の改善(今まで以上に多くの患者さんに医療を提供)に繋げることができます。
2. 事務のDX化
WEB予約、WEB問診の導入による患者さんの利便性向上やスタッフによる事前問診、電話対応の効率化が見込めると共に、効率化による必要人員の削減が期待できます。
このような効率化により、今まで着手できていなかった業務の時間を生み出すことが可能です。
自動精算機やキャッシュレス決済の導入にも同様の効果が期待できます。
また、レセプトチェックなどのスキルを要する業務をDX化することにより、月末月初の残業や今までレセプトチェックを担当してくれていたスタッフの急な欠勤や退職等への対応が不要になったり、採用条件の緩和による応募者の増加等も見込めます。
令和5年の4月からはオンライン資格確認の導入が原則義務化となります。
これもDX化の最たる例で、保険資格の確認作業をオンラインで行うことで手作業での資格情報入力の手間を省略することが期待できます。
3. 診療のDX化
AmiVoiceなどによる音声入力によるカルテ、紹介状記入時間の短縮やAIを用いた診断補助製品(nodoca等)の導入も効果的です。
診療をDX化することは医師の診療効率改善はもちろん、待ち時間の短縮や、痛みの少ない検査を受けられる等、患者満足度向上にも影響します。
またオンライン診療の導入にはクリニック経営における「立地条件」「診療圏」のマイナス面の影響を小さくすることや、診療時間の短縮、診療可能人数増加等の効果が期待できます。
4. 患者対応のDX化
院内掲示をデジタルサイネージに切り替えることにより、患者さんにお知らせしたい情報の増加、動きをつけることによる視認性の向上を期待できます。
診察前に上着やカバンを脱ぎ、すぐに診察を受けられるよう準備を進めておいて欲しい。
これからの時期気をつけていただきたいこと、クリニックでお知らせしたい治療、よく質問されることへの回答等を待合室で表示しておくことで、一日に複数回ある患者さんへの対応を自動化し、診療等の医師にしかできないことに時間を充てることができます。
また、薬の使い方や検査前の説明を自動化することによるスタッフ業務の効率化も可能です。
5. マネジメントのDX化
クリニックでは小さいお子さんを持つスタッフさんも多く、シフト調整は大変な作業の一つです。
シフトの提出・管理・確定等をDX化することも効果的ですし、新人スタッフの教育に関しても一般的な社会人スキルの研修を動画学習サービスに置き換えることで教育担当の業務時間を改めて確保する必要がなくなります。
クリニックで実施する研修を録画しておくことで、クリニック独自の研修もDX化が可能です。
その他にも社員の評価や採用をDX化するクリニックも増えてきました。
6. まとめ
「DX化=効率化」というイメージが強いですが本来の目的は、効率化により生み出した時間を如何に活用するのかという部分です。
更なる患者満足度向上、医師・スタッフの負担軽減、より効果的なスタッフ採用、職場環境の改善等着手できる項目は無数にあります。
DX化を進めたい。
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