クリニックスタッフ採用のポイントと注意点
本記事は「クリニックスタッフ採用のポイントと注意点」について、クレドメディカルが医師のために記載した文書です。
その他、クリニックのマーケティングについてより詳しく知りたい先生はこちらもご参照ください。
<目次>
1.採用の重要性
これからクリニックを開業される先生はもちろん、既存のスタッフの退職や事業拡大のため新たにスタッフの採用を検討されている先生も多いのではないでしょうか?
しかし、理想的な人材が集まらない、またせっかく採用したスタッフもいざ働いてみるとミスマッチが生じて退職してしまうなど、採用に関するお悩みはつきません。
日々の診療やクリニック経営で忙しいと採用には時間をかけられないと考えがちですが、スタッフ採用に時間と手間をかけることで採用後のトラブルや離職を防ぐことにつながります。
丁寧な採用プロセスを経ることで、応募者と既存スタッフどちらの満足度も高まり、結果的にスタッフそれぞれがパフォーマンスを発揮しやすい傾向があります。
2.募集媒体の選び方
それでは、具体的にどんな媒体で求人募集を行うのが効果的でしょうか?
まずはクリニックの理念や求める人材像、雇用形態などを踏まえて媒体を選定することが必要になります。
以下に代表的な媒体とそれぞれのメリット・デメリットを説明します。
(1)ハローワークに掲載する
メリット:掲載から採用まで無料で行うことができる。正社員から派遣・パートアルバイトなど幅広い雇用形態に対応している。
デメリット:登録などの工程に手間がかかる一方で、求人票に記載できる情報が少ない。最近はwebを利用した転職活動が盛んで直接ハローワークに足を運ぶ人が減少している。
(2)掲載料が掛かる媒体に一定期間掲載をする(タウンワーク、とらばーゆ、アイデムなど)
メリット:一定の閲覧数が見込める。複数名募集・採用をしてもかかる費用は一定のところが多い。
デメリット:掲載期間内に募集がなく追加掲載をする場合費用がかさむ。紙媒体の場合など、掲載内容をこまめに変更できないことが多い。
(3)人材紹介会社へ依頼する
メリット:紹介会社経由で人材の紹介があるため、条件にマッチする人材を早く集められる可能性が高い。採用にかかる時間や手間を軽減することができる。
デメリット:採用が決まったら報酬(一般的に年収の20~30%程度)を支払う必要がある。
(4)スカウト型の求人サイトに掲載する(ジョブメドレーなど)
メリット:登録内容に興味をもった候補者にスカウトメールを送ることができ、条件に合った候補者とマッチングする可能性が高まる。
デメリット:採用が決まったら採用費用を支払う必要がある。転職に関するアドバイが欲しいなどのより充実したサポートを求める求職者は転職エージェントなどを利用するケースがある。
なお、看護師などの有資格者を採用する場合は、医療専門のサイトや求人誌を使うのが有効です。
看護師の紹介会社一例
NSキャリア、ナース人材バンク、医療ワーカー、スマイルナース、看護のお仕事、マイナビ看護師など
3.採用を成功させるポイント
採用を成功させる重要なポイントの一つは、クリニックの理念を明確にし、それを理解して合った行動をとれる人材を求めることです。
まずは院長先生を中心に、理想となるクリニック像やスタッフ像を思い描き、求めるべきスタッフの要素を具体的に設定することが大切です。
そうすることで、クリニック側と募集者との間のミスマッチを減らすことができます。
<面接時のポイント>
- 採用面接では甘い言葉(福利厚生や働きやすさなど)ばかり並べず、あえて厳しい面(働く中で大変だと感じる部分、入社後に必要な勉強など)を伝えます。そうすることで、採用後のトラブルを防止します。
- 面接は院長先生や事務長さんだけでなく、一緒に働いているスタッフにも参加してもらいましょう。経営者とは違う目線で応募者をみることで、患者さんや同僚とのコミュニケーション力などより広い視点から判断できます。また採用する側(既存スタッフ)の責任感向上にもつながります。
また当然ですが、採用を通してクリニック側が募集者を判断するだけでなく、募集者もクリニックを見極めています。
応募者のほとんどは面接の当日だけでなく、事前にネットで情報を収集しクリニックでの勤務のイメージを膨らませています。
自院のホームページのコンテンツを充実させるほか、採用ページを作成できる場合は、そちらからも詳しい情報を掲載し積極的に発信しましょう。
4.採用における注意点
次に採用に関する注意事項を2点ご説明します。
1.面接時のみよい対応をしている応募者に注意
院長先生や事務長さんとの面接の際にきちんとした振る舞いを行うのはある意味当然ですが、面接前後の応募者の様子にも目を向けていますか?
例えば面接時間ギリギリに到着する、面接が終わった途端に待合室で大きな声で話し始めるなどの様子が見受けられると、実際にクリニックでの勤務中も患者対応や振る舞いに問題が生じやすい可能性があります。
受付や待合室での応募者の様子をスタッフに判断してもらうなどの面接体制を整えることがおすすめです。
2.不採用者への対応に注意
採用・不採用に関わらず応募者とは連絡をこまめにやり取りすることが大切です。その際つい採用者への対応ばかり優先してしまい、不採用者への対応がおざなりになってしまうことがあります。
しかし応募者は通勤距離の関係上、クリニック近隣に住んでいる可能性が高いため、不採用時の対応に不満があるとその後のクリニックへの悪評へつながる可能性があります。
不採用になったとしても、将来の患者さんになっていただく機会でもあるので、採用時以上に丁寧な対応を心掛けるようにしましょう。
5.まとめ
スタッフ採用は時間も手間もかかり、求める人材を集めることは一筋縄ではいきません。
クリニック側にとっても応募者にとってもミスマッチの少ない採用を行うために、理想となるクリニック像を思い描き、求めるべきスタッフの要素を具体的に設定することが大切です。
また、即戦力を求めて経験者を優先したくなりますが、患者さんへの細やかな応対が求められるため、人柄やコミュニケーション能力も重要な要素として検討することをおすすめします。
クリニックは地域性が高く患者さんとの距離も近いため、よいスタッフがいれば患者さんの安心感につながり、クリニックのファン拡大に繋がっていきます。
クレドメディカルではスタッフの採用や教育育成へのアドバイスも実施しています。
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