クリニックの集患対策と具体的な方法
本記事では「クリニックの集患対策と具体的な方法」について、耳鼻咽喉科コンサルタントの山野が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
- 集患とは(マーケティングについて)
- 集患と増患の違い
- HPからの集患対策(SEO・MEO対策について)
- オンライン広告とは
- 広告の種類
- 患者満足度向上対策
- 口コミを増やすためにすること
- コロナ禍において効果があった集患対策
1. 集患とは(マーケティングについて)
例えば、飲食店がお客さんを集めることを「集客」と言いますが、クリニックにおいて患者さんを集めることは「集患」と言います。
クリニックは地域社会貢献の意味合いが強く、一般的な飲食業、小売業と比較すると集患することに力を入れていないこともしばしば見受けられますが、ご存知の通り新型コロナウイルス感染拡大以降クリニックにおける来院患者数は診療科目によって多少の差はありますが、基本的には減少傾向にあり、集患対策に力を入れることは今や必須事項となりつつあります。
そこで今回は集患に役立つマーケティングについてお伝えいたします。
2.集患と増患の違い
「集患」と「増患」の違いについては、
「集患」=患者さんを集めること
「増患」=患者さんを増やすこと
となるので、ほとんどの場合同じ文脈で使用されているかと思います。
ただし、集患の方が“今はまだいない”患者さんを集めるという意味合いが強いので、
- 今まで行っていなかったようなことを行い患者さんを集める
- 今までアプローチしていなかった患者層にアタックする
という点はでは「集患」という言葉を使用した方がイメージしやすいかもしれません。
3.HPからの集患対策(SEO・MEO対策について)
クリニックの集患対策としてHPからの来院対策は必須事項のひとつと言えます。新患の来院経路を集計すれば、都市部、地方部、住宅立地などに関わらず、基本的にHP(特にスマートホン)からの認知が1位であることがほとんどです。
また、HPのデザインに力を入れることも大切ではありますが、検索した際に上位表示されないことには患者さんの目には留まりません。上位表示されるためにはSEO対策が必要ということは聞いたことがある方もいるかとは思いますが、その対策はHP業者さん任せにしているという医院も少なくはありません。少し手を加えるだけで順位は変わりますので、まずは「近隣エリア名+診療科目」例えば、「新大阪駅+耳鼻科」と調べて1ページ目に表示されているか?を調べて、自院が競合医院と比較しどの程度上位に表示されているのか確認することをおすすめします。
更に、SEO対策も重要ですが、MEO対策も昨今重要視されていることはご存知でしょうか?MEOとはGoogleマップを対象とした地図エンジンにおいて最適化を図ることをいいます。スマートフォンを用いて近隣医院を検索すると、まずは地図アプリが立ち上がり、検索者にとってアクセスの良い場所を選ぶという流れも大いに考えられます。
まずは自院のHP、Googleマップで検索した場合、患者さんにとってどのように見えているのかを確認するところかスタートしてみましょう。
4.オンライン広告とは
SEO対策は、仮に行ったとしてもその効果が表れるまでには数週間~数ヶ月時間がかかります。その間待っているだけではもったいないので、上位表示が叶うまではクリック課金制のYahoo!広告やGoogle広告を利用することが手段のひとつとなります。
オンライン広告の場合は自身で検索ワードを設定できるため、特に前述した「エリア名+診療科目」など、ピンポイントで検索をしている患者さんへのアプローチに効果を発揮しやすくなります。
ただし、厚生労働省が定めたガイドラインを順守した広告文に設定することが注意点です。審査に引っかかり運用がなかなか開始できないことも起こりえます。
5.広告の種類
WEB広告以外にも集患するツールは各種あります。
・駅看板
・バスアナウンス
・地域紙への掲載
・タウンページ
・チラシを配布 など
HP以外でも広告することは可能ですが、もっともよくないのは「出しっぱなし」にしてしまうことです。医院で使用している広告媒体を洗い出し、費用対効果を確認することをおすすめします。
更に、最近では無料で利用できるLINE公式アカウントを作成することで広告効果を高めている医院も数多く存在します。LINE公式アカウントはリピーター獲得に効果を発揮しますが、無料で出来ることがメリットです。
「なんとなく」で使っている広告費があればすぐにでも効果の高い媒体に費用をかけることが重要です。
6.患者満足度向上対策
前述のように増患対策を行い患者さんが来院しても、来院時の満足度が低ければ次回の来院がないことは一目瞭然です。患者さんはHPを検索し、よりよい口コミの医院を発見し、簡単に別の医院へ行ってしまいます。
院外へ向けたWEBや広告のマーケティング以外にも院内で行う患者満足向上対策も同時に行う必要があります。言わずもがなですが接遇の向上。他には、診察効率のアップと理解促進のための説明ツールや動画作成。クリニックの清潔さ、感染予防対策が万全であるかの確認など、日々高まる患者さんの期待を上回る努力は、今の時代サービス業同様クリニックにも求められています。「また来院したいクリニック」になるために自院に不足しているポイントは何なのか?スタッフ含めて話し合ってみることもよいかもしれません。
7.口コミを増やすためにすること
医院経営を行う上で口コミは切っても切り離せないものです。口コミが投稿できるツールは一般化され、どんな人でも簡単に口コミが投稿でき、参考にする患者さんも多くいます。
また、Googleマップなどのネット上の口コミだけではなく、保育園のママ友や家族間など、人伝えの口コミも数値に現れづらいですが常に存在しているものです。
まずは悪い口コミが発生しないよう前述したように患者満足を向上させることが重要です。特に自院のスタッフの接遇は患者さんに最も見られている部分でしょう。受付スタッフがどのように患者さんと接しているのかわからないという先生方は自院の口コミを確認すると共に、日ごろからスタッフの接遇に目を向けてみてください。
また、自院のスタッフの接遇レベルに不満がある場合は、すぐに解決することは難しく、注意しても直らないことが多々あります。スタッフの接遇マニュアルの整備や作成、自動精算機導入などIT化で仕組み自体を変えることで満足度を回復することも検討できるでしょう。
8.コロナ禍において効果があった集患対策
コロナ禍においては感染症の減少が決定的な患者数減少に繋がったといえるでしょう。耳鼻科、小児科が最もその煽りを受けていることはご存知のところかと思います。
そんな中でも特に効果のあった集患対策としては
- 専門外来の設置
- 時限的時間予約枠の設置
- オンライン広告
などがあります。
この様に、新型コロナウイルスのような未曾有の事態であっても目的をもって行動し、集患のために必要な費用と労力を割けば集患することは可能です。新型コロナの動向と患者数に一喜一憂しているうちは変更不可避な外部的要因に支配される一方です。長期化するこの状況下で何かひとつでも自院でできる増患対策に是非取り組んでみてください。
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