医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応
本記事は「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応」について、クレドメディカルが医師のために記載した文書です。
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〈目次〉
5月8日に新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行するに伴い、幅広い医療機関へコロナ診療にあたっていただける環境の整備が必要とのことから、令和5年4月厚労省より、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う啓発資材について」にて医療機関向けの啓発資材が公開されました。
内容を抜粋し、ご紹介します。
1. 治療について
まずは軽症患者における抗ウイルス薬選択の考え方についてです。
軽症患者では、抗ウイルス薬などの特別な治療によらなくても自然に軽快することが多く、経過観察や対症療法を行う。
また、発症から5日以内かつ重症化リスクが高く病状の進行が予期される場合のみ抗ウイルス薬の投与が考慮されるとしています。
こちらについては、「重症度別マネジメントのまとめ」としてリーフレットには図を用いての説明があります。
抗ウイルス薬のどれを選択するかは発症からの日数と重症化リスク因子の有無に加えて、妊娠の有無、腎機能、常用薬、点滴可能かどうか、変異株の流行状況をみて判断しましょう。
参考に、軽症から中等症の患者に対する薬物療法の考え方として「地域で流行している変異株」「点滴治療が可能か」「常用薬があるか」などもリーフレットには記載があります。
また、「主な重症化のリスク因子」として65歳以上の高齢者・悪性腫瘍・慢性呼吸器疾患などが挙げられています。
2. 院内感染対策について①
新型コロナ患者・疑い患者診療時の個人防護具の選択についてとあり、下記のように記載されています。
(入院外来共通)
・サージカルマスク→常に着用しましょう。(交換は汚染した場合や勤務終了時等)
・ゴーグル、フェイスシールド→飛沫曝露のリスクがある場合に装着しましょう。(交換は汚染した場合や勤務終了時等)
飛沫曝露のリスクとは患者がマスクの着用ができない場合、近い距離での処置、検体採取時等があたります。
・手袋とガウン→患者および患者周囲の汚染箇所に直接接触する可能性がある場合に装着しましょう。
・N95マスク→エアロゾル産生手技を実施する場合や激しい咳のある患者や大きな声を出す患者に対応する場合に装着しましょう。
(患者さんおよび患者さん周囲の 汚染箇所に直接接触しない場合は不要です)
外来における院内のゾーニング・動線分離についても具体例を挙げて説明があります。
・待合の工夫→例)自家用車で来院している患者は車中で待機
・診察、検体採取時の工夫→例)パーティションによる簡易な分離、空き部屋等の活用、検体採取を屋外や駐車場の車中で実施 など
こういった空間的分離が構造的に困難な場合は時間的分離で対応をする。
リーフレットは写真などを用いてわかりやすく説明されています。
3. 院内感染対策について②
病床の考え方・換気についての記述は以下です。
病棟全体のゾーニングは基本的に不要で留意点については、確定患者の病室の取り扱いは個室が望ましいがコホーティングも可。
疑い患者は、コロナ以外の疾患の可能性があるため確定患者と別の病室となるよう原則として個室に収容とあります。
ゾーニングは病室単位で行いリーフレットには図を用いて解説されています。
換気については病室内から廊下へ空気が流れないよう換気を行う。
4. まとめ
2023年4月に厚生労働省によって、医療機関向けの感染対策や診療方針に関するリーフレットが作成されました。
他にも「医療機関におけるマスク、面会について」「体調に異変を感じたら」などにも記載されていますので下記よりご確認下さい。
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