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2021.03.26
令和3年3月時点におけるトリアージ実施料について
本記事では「令和3年3月時点におけるトリアージ実施料の算定の実際」について、
クレドメディカルの志賀が医師の為に記載した文書です。
令和4年度診療報酬改定について詳しく知りたい先生は小冊子やセミナーもご覧ください。
<目次>
- 時限的に適用が拡大されたトリアージ実施料
- 誤解の多い施設基準、算定基準
- 新型コロナウイルス感染症患者、疑い患者への院内トリアージ実施料算定時のケース別「必要な感染予防策」
1.時限的に適用が拡大されたトリアージ実施料
同実施料算定にあたっては
・どこまでの体制を整備すれば算定できるのかがよくわからない
・算定できるのはわかってはいるが、(新型コロナ疑いの患者さんに)検査も処置もしないとなれば、会計の時に「金額が高い」と文句が出るのでは?
という2点が先生方のお悩みとして多い状況です。
また、昨年の段階では新型コロナウイルスの流行で緊急的に適用が拡大したため混乱も多く、行政等に問い合わせても返答が一様ではない時期もありました。
そもそも院内トリアージ実施料は以前より存在していた点数ですが、新型コロナウィルス感染症の拡大に際して院内トリアージ実施料を時限的に拡大適用する形で新型コロナウィルス感染症患者、あるいは新型コロナウィルス感染症であることが疑われる者に対して、一定の基準を満たして外来診療を行った場合に算定できることとしたものです。
こちらの院内トリアージ実施料について、その名称から誤解をされている先生方も多いため、それらをこの記事にてご確認いただければと思います。
令和2年4月8日の厚生労働省保険局医療課の事務連絡により、新型コロナウィルス感染症にかかる診療報酬上の臨時的な取り扱いについて(その9)に於いて、同感染症に対してもこのトリアージ実施料を算定できる旨が通達されました。
→厚労省事務連絡/新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)
2.誤解の多い施設基準、算定基準
多くの先生方が1番誤解をされているのは「隔離された部屋で診療を行わなければ算定はできない」と間違えて認識されている点です。
こちらは令和2年4月14日に厚生労働省の事務連絡より新型コロナウィルス感染症にかかる診療報酬上の臨時的な取り扱いについて(その11)にトリアージ資料新型コロナウィルス感染症に適用する際の算定基準がQ&Aの形で記載されています。
→厚労省事務連絡/新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その11)
その中で、
【引用】
問3 令和2年4月8日付け事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)」において、必要な感染予防策を講じた上で、新型コロナウイルス感染症であることが疑われる患者に対しては、院内トリアージ実施料を算定できることとされているが、その際に講じることとされている「必要な感染予防策」とはどのようなものか。
(答)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意した対応を行うこと。特に、「5 院内感染防止」及び参考資料「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(国立感染症研究所)」の内容を参考とすること。なお、その診療に当たっては、患者又はその家族等に対して、院内感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明すること。
【引用ここまで】
それでは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」にある院内感染防止に留意した対応とはどのようなものでしょうか?
上記資料あるいは参考資料とされている「新型コロナウィルス感染症に対する感染管理(国立感染症研究所)」の内容とはどのようなものなのでしょうか?
※(令和3年1月8日の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その32)において」のQ&Aで、トリアージ実施料の算定基準について「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」ではなく、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」と読み替えられていることから、この記事では最新の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第4.2版」「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(2020年10月2日改訂版)」に基づいて解説を行います。)
3.新型コロナウイルス感染症患者、疑い患者への
院内トリアージ実施料算定時のケース別「必要な感染予防策」
要点を抽出し、わかりやすくしたものを下記に記載いたします。
【院内トリアージ実施料】
点数:300点
算定のタイミング:原則として初診時に算定。ただし、再診通院患者で新型コロナを疑う症状で受診した場合には算定可
■施設基準
新型コロナウイルス感染症患者、疑い患者に対してのみ院内トリアージ実施料を算定する保険医療機関については、届け出不要
■算定基準
(新型コロナウイルス感染症患者、疑い患者に対して院内トリアージ実施料を算定する場合)
1)設備面
個室診療室:望ましい(必須ではない)
換気:陰圧室が望ましい(必須ではない)
こちらの通り、個室診療室、陰圧室は必ずしも必須ではありません。
2)個人防護策
診察のみの場合について、「サージカルマスクは必須」となりますがその他のものは必ずしも必須とはされていません。
(もちろん各医療機関においてその準備のあるものについては装着していただくのが望ましいかと思います。)
また各処置や検査を行う場合において、必要な個人防護具については下記の表の通りとなります。
ケース別で必要とされる個人防護具は異なりますが、ご参考いただければ幸いです。
一方で、点数が300点であることから、後のトラブルを防ぐためにも事前にトリアージ実施料の算定について同意を得ておきたい、という先生方も多いかと思います。
その際は、対象となる患者さんに予めトリアージ実施料算定の事前承諾をいただいておくための新型コロナ疑い患者さん用の問診表の加工したものについて、メルマガ会員様におかれましてはログイン後、下記よりダウンロードいただけます。
新型コロナウイルスへの感染を疑われる方への問診票 2021年版(トリアージ承諾文面付)
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ご参考となれば幸いです。