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診療報酬・診療報酬改定

皮膚科

整形外科

2022.04.05

【2024年6月更新】下肢創傷処置・下肢創傷処置管理料とは?算定のための要件は?

本記事は、2022年の診療報酬改定によって新設された「下肢創傷処置・下肢創傷処置管理料」について、クレドメディカル経営コンサルタントの神谷が医師のために記載した文書です。

 

より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

〈目次〉

  1. 下肢創傷処置とは?
  2. 下肢創傷処置の算定要件
  3. 下肢創傷処置管理料とは?
  4. 下肢創傷処置管理料の算定要件・施設基準
  5. まとめ

 

1.下肢創傷処置とは?

 

2022年度の診療報酬改定に新設された下肢創傷処置とは、「足部・足趾・かかとに潰瘍ができている患者さん」を処置した場合に算定可能な処置のことです。

 

(新設)○下肢創傷処置

1 足部(踵を除く。)の浅い潰瘍                  135点

2 足趾の深い潰瘍又は踵部の浅い潰瘍                                                         147点

3 足部(踵を除く。)の深い潰瘍又は踵部の深い潰瘍                               270点

 

2.下肢創傷処置の算定要件

 

・下肢創傷処置の対象となる部位は、「足部」「足趾」「踵」です。

 

・「浅い潰瘍」=「潰瘍の深さが腱・筋・骨・関節のいずれにも至らないもの」

 「深い潰瘍」=「潰瘍の深さが腱・筋・骨・関節のいずれかに至るもの」です。

 

・医師、および医師の指示を受けた看護師による処置であれば、下肢創傷処置は算定できます。

 

施設基準はありません。

 

・こちらは「月1回の算定に限る」などの算定期間の定めがありません。

 

・下肢創傷処置を算定する場合、「創傷処置」「爪甲除去(麻酔を要しないもの)」「穿刺排膿後薬液注入」は併せて算定することができません。

 

・複数の下肢創傷がある場合、主たるもののみを算定します。

 

3.下肢創傷処置管理料とは?

 

下肢創傷処置を算定した場合に、後述の施設基準を満たしている保険医療機関においては月に1回限り「下肢創傷処置管理料」を算定することが可能です。

 

○下肢創傷処置管理料            500点(月1回に限り)

 

4.下肢創傷処置管理料の算定要件・施設基準

 

【算定要件】

下肢創傷処置を算定した日の属する月において、月1回に限り算定できます。

 

・「入院中の患者以外の患者に対し」

    「下肢創傷処置に関する専門の知識を有する医師が」

 「計画的な医学管理を継続して行い」

 「療養上必要な指導を行った」場合、算定できます。

 

・医師の指示を受けた看護師では、下肢創傷処置管理料は算定できません。

 

・「初回算定時、治療計画を作成すること」「患者及び家族等に説明して同意を得ること」
 「毎回の指導の要点を診療録に記載すること」が必要です。

 

・学会によるガイドライン等を参考にすることとされています。

 

 

【施設基準】

・下記2つの条件を満たす常勤の医師が1名以上勤務していること

  ①整形外科、形成外科、皮膚科、外科、心臓血管外科、循環器内科の診療に従事した経験を

 5年以上有していること。

  ②下肢創傷処置に関する適切な研修を修了していること。

※「下肢創傷処置に関する適切な研修」として、一般社団法人日本フットケア・足病医学会
 「下肢創傷処置・管理のための講習会」が該当するとされています。

   2024年度分以降の受付に関しましては、適宜ご確認いただけますと幸いです。

   https://jfcpm.org/seminar.html

 

・下肢創傷処置管理料の施設基準については、届け出を行う必要があります。

 届け出の際には各地域の厚生局における特掲診療料の届出一覧からご提出いただく必要があります。
 以下は各厚生局の特掲診療料の届出一覧のURLとなります。(令和6年6月時点)

 

北海道厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_shinryo_r06.html

東北厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_r06.html

東海北陸厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_shinryo_r06.html

関東信越厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_shinryo_r06.html

近畿厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/h30/tokukei_r06t.html

中国四国厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_shinryo_r06.html

九州厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/tokukei_shinryo_r06.html

 

5.まとめ

 

本記事では、2022年度診療報酬改定で新設された「下肢創傷処置」「下肢創傷処置管理料」についてご紹介いたしました。

しかし、レセプト審査は都道府県や健康保険によって解釈や運用にバラツキがあります。

当記事は厚生労働省の発表に忠実に記載をしておりますが、必ずしも算定の絶対的な解釈や運用ではありません。

その点をお含みいただき、都道府県厚生局、審査支払機関、健康保険組合等に相談しながらご判断いただけますと幸いです。

 

【引用】

・届出書

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/r6-2-027.pdf https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/r6-2-000-02.pdf

・添付書類

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/r6-t05-14.pdf

・下肢創傷処置管理料を算定する際に必要となる「適切な研修」

https://jfcpm.org/certification/seminar.html

 

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