スタッフの評価制度
後回しになっているスタッフの評価制度導入
この記事をご覧になられている院長先生方は、診療はもちろん診療外業務の対応も行い日々お忙しくされているのではないでしょうか。
「診療が忙しくて考える時間がない。」
「どういった仕組みづくりが必要かわからない。」
「育ってきたスタッフが戦力になってきたのにやめてしまう。」
など、マネジメント面で悩まれる先生も多いことでしょう。
ただし、スタッフを適正に評価するような制度がないままだと、新人教育やリーダー業務を本当に頑張っている方のモチベーションが下がり退職につながってしまう、勤続年数だけが増えていき、給与が青天井のように上がっていってしまうといった状況になってしまいます。
そこで、今回は評価制度を導入するにあたり、基本的な部分をお伝えします。
実際に当社のクライアントが導入している事例の一部をご紹介しますので、ご参考ください。
■実際の事例
【給与テーブルの導入】
勤続年数と役職によって給与を決定します。主任、リーダーと役職が上がるにつれて基本給のベースが高くなり、一定の年数までいくと頭打ちといった形で設定することで、役職が上がっていかないと給与が上がらないような仕組みにします。
そうすることで、若手の方でもモチベーションを高くもって業務に取り組むこともできますし、年数だけが経過して昇格しない方に関しては昇給を抑えることができます。
【ルーブリックを用いた賞与額の決定】
ルーブリックとは、スタッフの日々の各業務に対してパフォーマンスを判断するため、評価の観点(基準)と観点の尺度を数段階に分けて文章で示した評価方法です。
ルーブリックで評価される項目を設定し、各スタッフが把握、習熟度を可視化することで各業務の習得目標を意識しやすくなります。
当社のクライアントの中には期末時にスタッフ同士で360度評価を行い、その評価を参考に賞与額を決定する医院もあります。
そのため勤続年数ではなく、業務ができるかどうかという視点で各スタッフを正しく評価することが可能です。
【方針理解・貢献度シート】
医院の理念などを理解しているか、行動指針に対して理解しているか、正しく行動がとれており貢献できているかどうかを評価するものです。
ただ仕事ができるだけではなく、医院のスタッフの一員として医院が求める方針に沿った行動ができているかを評価します。
【改善提案・ヒヤリハットシート】
院内で起こったヒヤリハット事例などの改善について提案をすれば評価に反映されるものです。
シートの提出頻度を月1回のペースなどで設定し、意見出しができる環境を作ることで、積極的に個々がクリニックの改善点を見つけ出し、共有することでそれぞれのクリニックに対する責任感が生まれます。
評価については、期末の賞与の際の行動評価などで行います。
【インセンティブシート】
医院におけるインセンティブ制度は各医院様々かと思いますが、ここではインセンティブシートをご紹介します。
インセンティブシートとは、テーマと目標を設定し、その数値を達成した場合に支給される仕組みをまとめたシートのことです。
例えばテーマを「1日あたりの総患者数」、目標を「前年比105%」、達成インセンティブを「目標数を超えた件数×●円」と設定し月末に集計を行います。
インセンティブ額が決定したらスタッフの該当月の稼働時間の割合に応じて支給します。
一般の給与とは別にインセンティブ額を設定することで、スタッフが頑張った分だけ手当に反映されるため、モチベーションの向上につながります。
■まとめ
ここまで、スタッフの評価制度についてまとめましたが、医院で実践できそうなものはいくつありましたでしょうか。
スタッフの評価制度の策定はどうしても手間がかかりますが、やる気のあるスタッフが正しく評価されることで年齢関係なく積極的に仕事を行うようになり、スタッフひとりひとりがクリニック運営に関わりたいと思える環境づくりにつながります。
今回ご紹介した評価制度におけるシートや実際の取り組みなどより詳しくお知りになりたい場合は是非弊社までお気軽にご相談ください。