中期経営計画
3年後のビジョンを確実に達成するための中長期経営計画
院長先生にお聞きします。
3年後またはその先のビジョンはお持ちでしょうか。
自院が耳鼻咽喉科としてどのような医院にしたいのか、どのような診療をしたいのか、どのような患者さんに来院していただきたいのか。経営者・医師として何を成し遂げたいのかを考え、経営においてこのような目標(ゴール)を意識して1ヶ月、半年、1年、3年の経営計画を立案することが必要です。
様々な経営スタイル
①自院拡張型
耳鼻咽喉科医一人で得られる売上はおよそ1.5億が目安となります。それ以上の売上を目指すのであれば、耳鼻咽喉科の2~3診体制を敷くのか、皮膚科や小児科などの他の診療科目を付加させるのか、補聴器外来やめまい外来などの専門外来を付加させ自院を拡張させることを考えなければなりません。
②分院展開型
医療法人を設立すれば分院を展開することも可能になります。分院であれば、院長先生の目の届かないところで診療を行いますので、2診3診で行うときと違い、難しいドクターマネジメントが必要になりますが、自院が今まで根ざして築いてきた地域をみすみす捨てるよりも駅前やタワーマンションなど集客を見込める地域に分院を展開するのも一つです。
医師の診療科目を幅広く募集するのであれば耳鼻咽喉科だけではなく、皮膚科、小児科へも手を広げることも良い考えです。3院以上展開することになれば経営企画など専門組織があれば院長先生のご負担が減り、成長スピードがかなり速まることになるのではないでしょうか。
③ノウハウ提供型
例えば自院の築き上げてきた補聴器外来のオペレーションや補聴器を販売するまでのノウハウや自院独自のオペレーションやマネジメントを他院に販売することも可能です。
もちろんこれらを実行するためには医療法人の設立と共にMS法人(メディカル・サビス法人)の設立が必要です。
開業されたばかりの院長先生であれば目の前の患者さんをいかに満足させて帰っていただくか、次回来院していただくためにどのようなことを行うのかが重要になってきます。
しかし、それだけを考えて診療を続けていくだけではいけません。1億、1.5億といった売上をただ単に達成するのではなく、スピード感を持って計画的に達成するために「いつまでに」、「何を」するのか、1年後、2年後、3年後などの中長期経営計画が必要です。
また、開院から5~7年経たれた院長先生方であれば、様々な困難を乗り越えられてきたと思います。その一方で、現状にマンネリ化されている院長先生もおられると思います。
そのような場合、年々同じことだけを繰り返してると人口減少や競合医院の出現など外部環境の影響で売上が下がるかもしれません。
上記のように医院を拡大するための戦略を一つでも取り入れ中長期計画を立てることは院長先生自身のモチベーションの維持にもつながることになるでしょう。