このページでは耳鼻咽喉科と相性の良い診療科目である皮膚科と小児科についてそれぞれ付加した時のメリットを紹介いたします。

皮膚科を付加した耳鼻咽喉科

下記に耳鼻咽喉科と皮膚科の月別の季節指数の表をご覧ください。

※季節指数…1年の売上を100%とし、1月~12月の売上の占める割合を数値化した指標

このように年間平均8.3%を上回る月に色をつけると、耳鼻咽喉科と皮膚科は繁忙期と閑散期がそれぞれ相反する時期であることがおわかりいただけます。閑散期の売上を上げたい、夏場に余剰となるスタッフの有効活用をしたいという先生方にとっては皮膚科の併設をお考えいただくのも一つの解決手段になります。

また、皮膚科のレセプト単価は耳鼻咽喉科よりも低いということはご存知でしょうか。レセプト単価が高く、集団的個別指導に呼ばれるかどうか心配されている先生方にとって、皮膚科のレセプト枚数が増えれば、自ずと医院のレセプト単価が下がるというメリットもあります。

小児科を併設した耳鼻咽喉科

次に小児科を併設する場合です。
小児科の対象年齢は15歳以下と言われています。この年齢層は耳鼻咽喉科に来院する患者層ですので、患者数が伸びないのではないかと疑問に思
われる先生方もおられるかもしれません。
しかし小児科を併設するメリットとして、患者・医師側と経営側のそれぞれのメリットがあります。

患者・医師側のメリットとして、子どもの疾患によっては耳鼻咽喉科なのか小児科なのか、どちらを受診すれば良いか判断がつかない保護者や耳鼻咽喉科と思って受診したが、ドクターから小児科を受診するように勧められる場合、またはその逆もあります。
保護者にとっては受診科目の判断がつきにくい場合や同日における他科(他院)への再受診をしなくて済むので非常に喜ばれます。
先生におかれましても熱発がある子どもやお腹の痛みを主訴とする子どもは、まずは小児科へ受診させることにより、負担を軽減することもメリットの一つです。

そして、小児科付加モデルの本題はここからです。
小児科を併設する経営側のメリットは小児科外来診療料(マルメ)を算定できるようになることです。

小児科外来診療料(マルメ)の算定

医療費=初診料or再診料+処置料+検査料+医学管理料+処方箋料

医療費の出来高評価はご存知の通り上記の式で計算されます。
そして初診料or再診料は3歳未満の乳幼児、3歳以上6歳未満の幼児、6歳以上に区分され、6歳未満の乳幼児には“乳幼児加算”があり、最も点数が高くなります。
そして、小児科外来診療料とは3歳未満の乳幼児を対象とする処置料や検査料を全て包括で算定する制度です。

・処方箋を交付する場合…初診:712点 再診:602点
・処方箋を交付しない場合…初診:523点 再診:413点

以前、小児科外来診療料は小児科を標榜している医院は届出をしなければ算定できませんでしたが、小児かかりつけ診療料の新設により、小児科を標榜していれば届出をする必要がなくなりました。
ですので、小児科ドクターの雇用により一週間に一コマでも小児科を開設し、標榜さえすれば、堂々と小児科外来診療料を算定することができ、小児科を受診していない乳幼児でも算定が可能となります。

ただし、電話再診の場合は算定でない等の制約はあります。

耳鼻咽喉科では3歳未満の乳幼児において、1回あたりの診療単価が小児科外来診療料を超えることもありますが、平均すると出来高評価で算定するよりも、小児科外来診療料を算定した方が結果的に診療単価が上がる医院の方が多いです。