P/PCバランスから読み解く医院経営
目標とする成果、その成果を得るための資源・能力 両者のバランスが大事!
医療制度改革、診療報酬改定、医療DX、高齢化・過疎化の進展など医療を取り巻く外部環境は目まぐるしく変化しています。
そのため、経営者である院長先生は、様々な想定を行いながら医院経営の舵取りをしなければなりません。
そこで今回は何を、どのように見直すかヒントにしていただくため7つの習慣からP/PCバランスについてお伝えさせていただきます。
P/PCバランスのP、PCとはそれぞれ、
P (Performance)=目標とする成果、結果
PC(Performance Capability )=成果・結果を得るための資源、能力
を指しています。
つまりP/PCバランスとは
目標とする成果を出すためには、成果を得るための資源や能力が必要であり、
資源や能力があっても成果が得られていない場合には、機会損失を起こしているということです。
P/PCバランスの偏りをなくすことが成果を最大化するためには重要です。
このPとPCはクリニックに置き換えてみると
【P】
患者満足度、患者来院数、医業収入、検査や処置件数など
【PC】
スタッフの人数・能力、ホームページや診療ツール、経営資金、検査キットや医療機器など
が当てはまります。
例えば、
・患者満足度を高めたい(P)と思っても、スタッフの手が足りない(PC)ため、患者への説明や案内が不十分である。
・検査件数を増やすこと(P)が目標だが、検査機器が1台しかなく(PC)、結果がでるまでに時間がかかり、検査件数がなかなか増やせない。
このように目標を決めて成果を出そうと思っても成果を出すために必要な人手や検査体制を整えないことには、思ったような成果につながらないことが分かります。
一方で、体制を整えようと、PCへの過度な注力にも注意が必要です。
例えば、
・スタッフを育成するためにミーティングの機会を頻繁に作っている。
・検査機器の導入について業者と何度も繰り返し交渉した。
・1ページずつこだわって、時間をかけてホームページを作成した。
それぞれ、スタッフの育成や検査・診療体制の構築、質の高いホームページ作りを目標にしています。
もちろん短期的に達成すべき目標という側面では成果と言えますが、スタッフの育成も検査診療体制の構築も質の高いホームページも患者満足度・診療効率向上、患者来院数の増加という成果(P)に対するPCに過ぎません。
クリニック経営における成果(P)とは
診察や検査が満足に受けられる診療体制、それを求めて患者さんの来院があり、結果的に医業収入につながることだと考えます。
PCに注力しすぎると、Pに対する行動が疎かになってしまい、資源や能力に見合った成果が得られないことがあるためP/PCバランスを考えることが重要です。
さらに安定した経営を目標とすると、一時的な成果ではなく継続的に成果を生み続ける必要があります。
そのためには、スタッフの採用や育成、マーケティング検査体制の整備や資金調達といったPCに加え重要な資源があります。
それは「院長先生の時間」です。
上に挙げたPCを整えることはもちろん、PCを使って成果を生む戦略や施策を考え、実行するためにどれだけ先生は時間をかけているでしょうか。
先生ご自身の「時間」は大変貴重な資源であることを再認識して下さい。
その上で今後どのような成果を目指し患者さんに貢献できるのか?を考え、実行していただきたいと思います。
医院経営に悩みはつきものです。
現在のクリニックの在り方や今後についてお悩みやご不安を感じている場合には、下記「無料経営相談」より弊社コンサルタントへご相談ください。
本コラムが先生方のお役に立てば幸いです。