『北風と太陽』からの教訓
『北風と太陽』のお話から得る教訓とは
年も明ければ花粉が飛散する季節になりました。多くの医院では1年で最も忙しくなる時期です。この時期を乗り切るために昨年の課題・問題点は改善できているでしょうか。
そこで今回はご存知の『北風』と『太陽』が力比べをするイソップ童話の『北風と太陽』から少しお話しをしたいと思います。
ある時、旅人の上着を脱がせることができるか、北風と太陽が力比べ勝負をすることになりました。まずは『北風』がビュービュー吹いて旅人の上着を吹き飛ばそうとしますが、必死で抵抗する旅人は上着を押さえてしまい、北風は旅人の上着を脱がせることができませんでした。
そして次に『太陽』はぽかぽかと旅人をじわじわ照らし続けました。旅人は暑さに耐えきれず、自分から上着を脱いでしまいました。結果、北風と太陽の勝負は『太陽』の勝ちとなりました。
この『北風と太陽』の話にはマーケティングとマネジメントの重要な教訓が含まれています。
マーケティングの教訓
『北風』:物事を進める上で、力ずくで行ってはならない。
『太陽』:物事を進める上で、ゆっくり着実に実行する方が最終的に大きな利益を生む。
例えば目先の売上のためにレセプト単価を上げようと必要以上に患者さんを通院させたり、無駄な検査を強要したりする医院目線ではなく、患者さん自身が医院に来たい、医院で治療をしてもらいたいと思って自らの足で来院したくなるような仕組みを作ることです。
どのような仕組みかというとホームページを充実させたり、自院の特徴や治療方針を記載した医院案内を作成して配布したり、患者さんを気遣う接遇を医院全体で行ったりなど自院の魅力を発信することです。
『太陽』マーケティングは、即効性がありませんがポカポカじわじわ効果が現れるマーケティングですので、中長期的に見ると着実に効果が現れる手法です。
“目先の売上をどのように上げるか“よりも”一人の患者さんが何度も来院してくれるように“コツコツ努力をするということです。
マネジメントの教訓
『北風』:冷たく厳しい態度で人を動かそうとしても人は動かない。
『太陽』:人に暖かく優しく接した方が人は自ら能動的に動いてくれる。
昨年を振り返ってみてください。繁忙期の院長先生やリーダー、ベテランはどのようにスタッフに接していたでしょうか。
「こんなに忙しいのに、なぜ言われたことさえきちんとやってくれないの・・・」
「もっと自分から考えて行動してくれないと・・・」
「あなたのせいで今日も診療時間が延長したじゃないの・・・。」
心ではわかっているつもりかもしれませんが、知らず知らずのうちに院長先生やリーダー、ベテランの方が『北風』のようになっていなかったでしょうか?
結果的に無理矢理スタッフをコントロールしていたり、繁忙期の真っ只中、または繁忙期の終わりに退職された方がいなかったでしょうか?
『太陽』のようにスタッフの気持ちを考え、どうすればスタッフ自ら動いてくれるのかと、忙しい時ほど気持ちを切り替える事ができれば、繁忙期を今までの人数で乗り切ることは可能なのではないでしょうか。
今から3~4ヶ月は患者さんが一番来院する時期です。1回限りかもしれない花粉症の患者さんを年に数回来院してもらうために、少しでも『太陽』のマーケティング・マネジメントを実践していただければ中長期的な発展に繋がると考えています。