組織改革の第一歩に何をすべきか
開業医院でのマネジメントの大変さ
開業されて数年・数十年と医院経営をされている院長先生も、あるいは、これから開業をされるという先生も、必ずどこかのタイミングでスタッフさんの採用もしくは教育といったマネジメントの課題を抱えられたご経験がある、またはこれからご経験されることと思います。
今回は、「組織改革の第一歩」として何をしていくかをお伝えいたします。
突然ですが、質問です。
- スタッフさんが自主的に動いてくれない(指示待ちが多い)
- 何か不満そうな顔をして働いている
- スタッフさんがよく辞める(定着率が悪い:2年以上勤続することが少ない)
- ミーティングを行っても意見が出てこない
以上の4つのどれかに当てはまることがあるでしょうか?
もし1つでもあるようであれば、組織として何かを変えなければなりません。
「何か」とは具体的にどういったことかですが、大別すると以下の内容があります。
1.採用方法を見直す
2.教育方法を見直す
3.院長自身を見直す
4.組織全体を見直す(スタッフ間の関係や役職の見直し等)
5.医院の全体像を見直す(理念等がはっきりしていない等)
1.採用方法を見直すというのは、
簡単に言えば、医院に合った人材ではない可能性があります。
2.教育方法を見直すというのは、
新しく入ってきたスタッフさんに仕事を教え方だけでなく、既存のスタッフさんへの教育方法も考えなければならないということです。
3.院長自身を見直すというのは、
よくスタッフさんにヒアリングをしているとよく出てくるのが、「院長自身が変わらないと何も変わらない」という言葉です。どういったことかというと、例えば、
- 院長の発言が高圧的な感じである
- 何か新しいことをするにしても説明がない
- 何か意見を院長に言ってもすぐ否定される
等々です。
院長のお考えをしっかり伝えることや伝え方を見直さないといけないケースがあります。
4.組織全体を見直すというのは、
こちらに関しては、各スタッフの状況を踏まえたうえで、調整していかなければならないところでもあります。
例えば、看護師さんと事務スタッフさんとの間に大きな壁が存在してしまっている場合や、看護師さんは頑張られて国家資格を取っていらっしゃるかもしれませんが、看護師さんが大きな存在となっており、事務スタッフさんからの発言を抑圧している場合等があります。役職がある場合には、その役職が逆に邪魔になっている場合もあり、組織に合った人員配置等を行わなければならないケースです。
5.医院の全体像を見直すというのは、
クレドカードや理念という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。まさに医院基盤の見直しを行うケースです。つまり、院長先生ご自身の想いやお考えといったことを明確にし、医院・組織全体に浸透させていかなければなりません。
上記の内容を勘案した上で、『現状自院が組織としての何を見直さないといけないのか』を分析・把握することが組織改革の第一歩となります。
院長先生のイメージとして持っている組織にするためにはどのような人材を採用していくべきなのか。
現在の組織に対して院長先生自身何か不満があるのであれば、その原因はどこにあるのかを追及してください。
組織全体を見直す時には、他責ではなく、自責の念で見直し始めてください。
もしまだ明確に将来の医院像が明確ではない場合や求めている組織像が明確でない場合は、まずは理念や何のために仕事をしているのか等お考えいただき、目標を固めてみるのも1つの手です。
基本的なことかもしれませんが、医院の基盤となる理念や組織の将来像といったところは閑散期のこの時期にゆっくりとお考えいただくことが数年後の組織を創っていく第一歩になります。