医院の立地エリアやリスティング広告などHP対策への注力具合によってページビューは左右されるので、上記の数値はあくまで参考値ですが、15,000ページビュー/月の場合、クリニックHPへ1回アクセスする度に1ページ閲覧すると仮定すると少なくとも1日に約500回、約3分に1回以上の頻度で誰かがクリニックHPを見ていることになります。

これほど頻繁にクリニックHPが多くの人の目に触れるようになった今、クリニックHPが患者さんとクリニックと繋ぐ重要な接点になっており、HP対策の重要性が年々高まっていることを実感されている先生も多いかと存じます。

ただその一方で、

・HPのページビューが増えていたら、とりあえずOK!
・HP会社から届くアクセスレポートを見ていない、見るだけで対応していない…
・HPのアクセス状況と実際のクリニックの状況がどう繋がっているかピンとこない…

ということはないでしょうか?

これがHP対策で陥りやすい落とし穴です。
HP対策に注力していても、その成果をクリニックの実際の状況と照らし合わせて評価できていなければ、宝の持ち腐れです。
そこで今回は、「WEB数値を読み解くカギ」と題して、HPのWEB数値(ページビュー、HPにアクセスした人数、各ページのアクセス数など)をクリニックの数値(新患数、レセプト枚数、処置検査数など)と併せて考察するポイントをお伝えします

◇WEB数値の落とし穴◇

「ページビューが多くても…」

HPのページビューが多ければ、HPへのアクセス数が多いことを示すのだから良いことでは?と疑問に思われるかもしれません。
確かに、ページビューの増加はアクセス数の増加を示します。ただし、ページビューが増えても実際の来院に繋がっているかは別問題です。

例えば…

・新型コロナの流行状況やインフルエンザワクチンのお知らせによる一時的なヒット
・アクセス数が増えている一方でクリニックの新患数は増えていない
・アクセス数の多いページの内容に関する患者さんの受診が少ない など

ページビューが増えても患者獲得に繋がっていない可能性があります。
この落とし穴に陥るとHPの集患効果を誤って評価してしまう恐れがあるので、是非回避していただきたい点になります。
では、どうやって落とし穴を避けるのか?
そのためには、WEB数値とクリニックの数値を照らし合わせて、“WEB数値を正しく理解する”ことが重要です。

具体的な方法としては…

1)毎月のアクセスユーザー数に占める新患数の割合を算出する
2)クリニックへの問い合わせ数や処置検査数の変化を調べる

などです。

1)新患数の割合算出について、HP経由の新患数をアクセスユーザー数で割ってHPの新獲得率を算出することで、HPの集患効果を把握することができます
ただし、そのアクセスユーザーの多くが自院の診療圏外からアクセスしていた場合、それらのユーザーが新患として自院を受診してくれる可能性は低く、新患獲得率も低くなる恐れがあります。
そこで、全地域からのアクセスユーザー数ではなく自院のある市区町村や都道府県からのアクセスユーザー数に着目していただき診療圏内のアクセスユーザー数に対してどの程度の割合が新患に繋がっているかを確認いただければと存じます

2)処置検査数等の変化を調べるについて、この調査にはHPで発信した情報が患者さんの受診に繋がっているかを確認する目的があります。
例えば舌下免疫療法の説明ページをHPにアップした場合、その後に舌下免疫療法の問い合わせやアレルギー検査数が増えたか?を確認するということです。
舌下免疫療法のページアクセスが増えたが舌下免疫療法に関する問い合わせやアレルギー検査数が少ない場合、受診を促す文言や治療の必要性の説明が不足していないかページ内容を見直す他、WEB予約の動線も確認してみてください。
また、ページアクセス自体が少ない場合は、ページ内容やSEO対策に問題がないか見直す必要があるでしょう。

 

ここまで、WEB数値とクリニックの数値を照らし合わせてWEB数値を正しく理解するための方法をお伝えしました。

毎月WEB数値を見ている先生方は、今回ご紹介した方法で改めて数値をご確認いただければと存じます。
また、WEB数値を見る機会が少なかった先生方におかれましては、これを機にWEB数値をご確認いただけますと幸いです。