近年では「近所だから」「通りがかりで」という経路が相対的に減少し、「WEB上の口コミ」、または「医院ホームページ」などWEB関連での来院が増加しているのが全国的な傾向です。これはインターネットがインフラとして確立されていく中で、様々な情報源をインターネット経由で取得する方が増えている状況を鑑みれば必然であるのかもしれません。

むしろそういったインターネットでの情報が多様化するにあたって、これまでは来院経路を問う項目で「ホームページを見て」とだけしておけば良かったのが、現在では、おなじインターネットにしても、当院のPC用ホームページなのか、あるいはスマートフォン用ホームページなのか、ブログなのか、もしくは病院紹介サイトのような外部のインターネットサイトをきっかけとして来院したのか、それらが正確にわかっていないと、自院のホームページの反響率などの効果測定が正確に行うことができません。

また、最近では「Google口コミ」による影響度も高くなってきており、よって特にインターネットに関連については、詳細にその経路を把握すること(新規患者に問うこと)が必要になってきています。

■口コミの優先順位

細分化されているものの一つとして、「紹介・口コミ」による経路も細かく把握しておきたい項目です。

「紹介・口コミ」は全ての来院経路の中でも最も重要な経路であり、「紹介・口コミ」よる来院数がその耳鼻咽喉科医院の支持率を反映しているといっても過言ではありません。

その中にあって、特に意識して頂きたいのが、「家族・親族からの紹介・口コミ」と「友人・知人からの紹介・口コミ」、「WEB上の口コミ」そして「他の医療機関・施設から聞いて」になります。
これらは同じ「紹介・口コミ」であっても、その優位性が随分と異なるからです。

結論からお話しすると、

1位「友人・知人からの紹介・口コミ」
  「WEB上の口コミ(Googleなど)」
2位「他の医療機関・施設から聞いて」
3位「家族・親族からの紹介・口コミ」

来院経路の中で重要とされる、「紹介・口コミ」の中にあって、さらに上記の順番で優位性が順位づけられます。

「良い先生・優しい先生・腕の良い先生」などの評価が多い耳鼻咽喉科医院の場合、一般的に「家族・親族から聞いて」が多い傾向にあります。
それだけでも十分ありがたいことであるような気がしますが、何が上位2つの口コミ経路と異なるかというと、その先の伝播性に限りが有るかどうか?という点に差があるのです。

「家族・親族から聞いて」は同一の家族・親族内での口コミであるため、その家族(1つのユニット)が一通り来院してしまえば、その先の口コミの広がりは薄いのに対して、「友人・知人から聞いて」の場合は全く異なる別のユニット群に当院に来院させるきっかけを作ったことになります。

また、WEB上の口コミであれば、その地域に新しく引っ越してきた方など知り合いの方がまだいない方にもその医院の評判を広めることができ、新規患者の広がりを一層増やす可能性を秘めているといえるのです。

例えるならば、一つの樹木の中で2つ目3つ目の果実を刈り取るのが「家族・親族から聞いて」であるのに対し、新たに新芽が出てそこから樹木が育つのが「友人・知人から聞いて」、「WEB上の口コミ」といったところでしょうか。

日本国内が現在も人口が増加し、世帯人員もどんどんと増えている状況であれば家族や親族の紹介だけでも地域のかかりつけ耳鼻咽喉科医院として安定して成長ゆけるのでしょうが、人口が減少に転じ、核家族化が進んでいる現状においては、医院の永続的成長の鍵は「1位や2位の来院経路をいかに確保してゆくか?」が握っているといえるのです。

また、「友人・知人から聞いて」、「WEB上の口コミ」、「他の医療機関・施設から聞いて」については、「良い耳鼻咽喉科医院」だけでなく自院のマーケティング面での取り組みを反映している数値でもあるため、費用対効果を図る意味も含め、医院の繁栄の大きな鍵を握っているといえる経路なのです

 

来院経路の集計は、医院で実施したマーケティング施策が正しく機能しているかだけでなく、費用対効果を図る重要な指標になります。
最近ではSNSによる情報発信も活発になってきており時代に合わせて来院経路は変化するという認識のもと継続して集計し、分析する仕組みを構築することが重要です。