患者視点になっているかどうか
待合室と診察室の室温調整の重要性
医院経営において季節の変わり目で先生方には是非とも気にしていただきたいポイントが一点あります。
それは「本当に患者視点になっているかどうか」です。
具体的には、「待合室と診察室の温度差が激しいこと」が挙げられます。
この事態は夏にも起きていますが、冬や季節の変わり目の時期に頻繁に発生しています。
- 待合室は適温、診察室内は暑い
- 待合室は寒い、診察室内は適温
- 待合室も暑い、診察室内も暑い
- 待合室は暑い、診察室内は寒い
など
パターンは様々ありますが、自院ではいかがでしょうか。
ドクターは半袖を着ていて、スタッフも半袖の状態。
しかし、患者さんは外から来られるので、上着を着ています。
この場合は診察室もしくは待合室において、患者さんが暑いと感じる状態である可能性が高いということです。
現場を拝見させていただいている時に診察室内が暑くて汗をかくこともあります。
待合室に出ると涼しく感じて快適という状況が起きていることがあります。
ここで危惧されるのは、「患者目線になっていない」という点です。
ドクターは診察中動きますし、スタッフの方も動きますので暑いと感じることは想定できるのですが、それでも室温が明らかに高い時があります。
ドクターから診療中に「暑いから温度下げて」というお声を聞くこともあります。
しかし、スタッフさんは寒いと感じているためカーディガンを着るというような状況。
さらに言えば、患者さんにアンケートを取ると「待合室(もしくは診察室)が暑い」という回答があることもあります。
患者さん視点で言えば暑い(寒い・快適)診察室から快適(暑い・寒い)待合室へ移動するだけでも温度差を感じ、会計終了後帰る際にもまた温度差を感じるということを繰り返していると体調を崩される可能性も出てくるかもしれません。
ここまでで私が言いたいことは、患者さんの服装を想定して室温を調整する必要が大いにあるということです。
ドクターもスタッフもカーディガンなどで調整ができる場合は脱着で調整することをご検討ください。
実際にされているとは思いますが、今一度各場所の温度設定を見直していく必要があります。
※省エネのことを考えた上での温度設定であれば告知は必要でしょう。
室温を調整するということだけで話は終わりません。
室温調整の必要性を挙げるのは少なくともオペレーションにも関わってくるからです。
今の時期であれば、多くの患者さんはコートなどの防寒着はもちろん、場合によってはマフラーなどもつけていらっしゃることでしょう。
待合室が寒い場合、患者さん自身、コートやマフラーなどを外すということはなかなかしないでしょう。
「防寒着を着たまま中待合室まで移動し、診察室内に入ってくる。」
そうすると起きることとしては皆さんの想像や実体験で既にあると思いますが、患者さんは「診察室内で脱ぎ始める」という行動を取ります。
患者さんの事前準備ができていないことで、診察室内で無駄に空白な時間が発生してしまいます。
いくらオペレーションがスムーズでも1つの空白の時間で先生はじめスタッフさんのペースも乱れてしまうことがあります。
そうならないためにも事前に準備は徹底していくことが重要なポイントです。
中待合室に誘導する際に「コートを脱いで準備しておいてください」というのも1つの手段でしょう。
全員が感じる温度は当日の服装や冷え性などの様々な条件で違いますが、平均して適温に近い温度をその日その日で調整をしていただき、時間帯によって調整をするなどこまめに室温も気にするべきです。
せっかくよい接遇をして患者さんの視点で様々な取り組みをしているという場合であればなおさら気にするべきでしょう。
基本的なこと・初歩的なことと思われるかもしれませんが、患者さんの視点にもう一歩踏み込んで、季節の変わり目の今だからこそ患者さんの感じる温度などにも目を向けていくことをご検討いただいた方が良いでしょう。