クラーク体制
クラーク体制
患者さんが増えてきたクリニックが永続的に発展するためには、診療効率の見直しが必要です。特に耳鼻咽喉科は季節によって患者さんの来院人数が大きく変わりますので、“無理のない”医院経営を進める上で診療効率の見直しの重要性は高くなります。
診療効率を改善するポイントの1つにカルテ記入時間があります。
このページでは、カルテ記入時間を短縮する方法の1つであるクラーク(シュライバー)についてご紹介致します。
診療効率の改善については こちらもご参考ください。
クリニックによっては、レセプト業務以外の呼び込みや書類の準備をする方を外来クラークという形で運用されているところもあるかと思いますが、このページで紹介するクラークは医療事務作業補助者とよばれる、医師のカルテ入力を補助する方を指します。
まず始めに、一般的には電子カルテの入力を補助する役割と認識されていますが、紙カルテを使用されているクリニックでも導入は可能です。
紙カルテでクラークを導入する場合は、電子カルテを使用しているクリニックがクラークを導入するより複雑となりますので、一度お問合せください。
クラークの導入
クラーク導入の目的は、医師のカルテ入力の負担の削減です。クラークがSOAP全てを入力できるようになれば、医師はカルテの内容を確認するだけで済むようになり、診察に集中することができます。
そのため、クラークは一定の医療知識を求められます。しかし、医療知識があるからと言って看護師をクラークにコンバートすることはオススメできません。
なぜなら、看護師の業務は有資格者のみに許可された業務だからです。看護師をクラークにコンバートすることは、看護師が1名減少するのと同じことを意味します。
ですので、戦力となるまでには多大な労力と時間がかかりますが、医療知識が無くても事務スタッフをクラークにコンバートしましょう。
●クラークの教育
まず、クラークを教育するにあたって、医療事務として雇用したスタッフをクラークにコンバートするには時間がかかることを認識しましょう。
ある程度戦力となるクラークを育成するためには、数か月単位の時間を必要としますので、教育を開始するのは5月~10月がオススメです。
教育を始めたばかりだとカルテの記入と確認に通常より時間がかかるため、繁忙期にクラークの教育を開始してしまうと、ただでさえ大変な繁忙期が収集のつかないことになってしまいます。
●クラークの教育方法
クラークを教育する時は、初級、中級、上級のように段階を踏むようにして教育します。
具体的には、SOAPの内入力する項目を限定して入力してもらうことから始めます。
初級
SO、APに分け、一つずつ入力する項目を増やしていきます。
医師が処置や検査、処方した薬を紙などに書いてそれをクラークが入力します。
中級
医師が患者さんに説明している内容を聞き、要約して入力できる段階です。
上級
患者さんの主訴や医師の発言内容から、処方される薬を予測しあらかじめ入力しておける段階です。
一度に全ての内容を入力できるように教育するのでは無く、期間を定めその間にどの段階まで対応可能になって頂くか計画を立ててから教育すると、クラークにコンバートされたスタッフさんの負担も大きくならず、先生ご自身の負担も少なく教育できます。