
今回の記事では、短い時間の中でも、患者さん一人ひとりの診察時の対応から患者さんの満足度を高める話し方ついてお伝えいたします。
繁忙期ともなると少しでも多くの患者さんの診察をスムーズに行うことに集中してしまい、ゆっくり患者さんの話をすることができず、患者さんの不満が大きくなってしまうことも珍しくありません。
実際、「第7回日本の医療に関する意識調査」によると患者さんが医療機関を受診した際に感じたことのある不満の上位には
「待ち時間が長い」
「説明が分かりにくい」
「医師の態度や言葉遣い」
が挙げられています。
「待ち時間が長い」という点においては診療オペレーションや予約システム等の見直しが必要になるため、即時の改善は難しい場合があります。しかし、「説明が分かりにくい」、「医師の態度や言葉遣い」は、先生方の診察中の立ち振る舞いの意識を変えていただくのみで改善が可能です。
事実、忙しい状況であっても、患者さんの心を掴み、患者さんの満足度を高めている先生もいらっしゃいます。患者さんの満足度に違いが生まれる要因の一つに、短い時間でも患者さんとの会話で満足度を高めるテクニックが挙げられます。
患者さんの心を掴み満足度を高めるテクニックとして、次の3つがあります。
■テクニックその①【聞き方を改善する】
話し方で重要なのは、話の受け止め方、つまりは聞き方です。
患者さんが不満を持つ理由として、自分の言ったことが理解されないということがあります。
ここである事例を共有します。
患者さん:「胃が痛くて、吐き気もするのでネットで調べてみて、おそらく胃潰瘍だと思うのですが」
先生:「いや、この症状だったら、軽い胃炎の可能性が高いですね。一度診させてください。」
患者さん:「運動と食事の習慣が大切って言われたから最近は1日30分歩いて、食事も…」
(話の途中で)
先生:「そうですか、検査の数値も良くなってますね。」
このように患者さんの言ったことに対して否定的に入ったり、診療のスピードを意識しすぎて話をさえぎったりしていませんか?
先生方にとっては何気ない一言だとしても患者さんからしたらあまり気持ちはよくないものです。
また、そうなると患者さんからすれば、「この先生は話をしても分かってもらえなさそうだな」と感じます。こうなってしまうと先生の話が耳に入ってこなくなり、患者さんは心を閉ざしてしまいます。ですので、まずは「相手の気持ちをきちんと受け止めてあげること」が大切になります。
具体的には、患者さんの話を聞いたあとの一言目に「そうなんですね」「分かります」とこのような言葉が聞けると患者さんは安心します。初めに安心していただくことで、たとえその後に反対意見を言われても客観的に理解しようという姿勢になるのでその後の診療もスムーズに進むでしょう。
■テクニックその②【話す量と間を意識する】
先生方は今までのご経験の中でつい当たり前のように専門用語で説明されていませんか?そして、ついつい伝えたい想いに熱が入り、長すぎる説明になっていませんでしょうか?
例えば、血液検査の結果を説明する際など患者さんは医療に関しては、素人ですので専門的な疾患のメカニズムや、専門用語で説明してもなかなか理解することができません。
大切なことは患者さんの視点に立ち、知りたいことを端的に伝えてあげることです。
患者さんが知りたい内容としては
「状態の良し悪し」
「疾患の原因」
「治療方法」
が挙げられます。
そのため、これらを端的に伝えた上で患者さんから追加で質問があれば答えてあげるようにすると良いでしょう。
また、“話の間”を意識することも大切です。人間は新しい情報を与えられた時、頭の中で整理することに時間がかかります。間をとらなければ理解が追い付かず、患者さんは話を聞くことをやめてしまう恐れや、理解できず何度も説明を求められて診療時間が伸びてしまうことがあります。
具体的には会話を投げかけてから1秒から3秒ほど間を取ることをおすすめします。その間にもし患者さんが視線を外した場合は間のテンポが合っていない可能性があるため話すスピードやテンポを調整した方がよいでしょう。
■テクニックその③【言葉だけで説明することをやめる】
短時間に言葉だけで疾患の説明を患者さんに理解させるには限界があります。だからといって長く話し続けてしまうと診察時間が押して長引いてしまう、または患者さんも話に飽きてしまうという新たな問題が発生してしまいます。
そのため処置や検査が終わった後に疾患の説明をする際、標本模型や画像を実際に患者さんに見せながら説明すると良いでしょう。我々もセミナーでお伝えしている疾患の説明が要約された治療カードなど患者さんに持ち帰ってもらえる資料を活用することをおすすめします。
そうすることで患者さんは言葉だけで説明を受けるよりも理解が更に深まり、「丁寧な説明をしてくれる良い先生だ」という印象を持つでしょう。
ここまで見てきた3つのポイントのように患者さんへの対応を少しずつ見直していくことで患者満足度は向上します。新規患者を1人でも多く増やす「増患対策」を行うことはもちろん大切です。しかし、このような地道な対策も同時に行い、クリニックのことを忘れずにまた来てくれる患者さんを増やすことも同様に大切な取り組みです。
その結果、クリニックに定着した患者さんは将来的には医院経営の大きな支えとなってくれるでしょう。
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