外来後発医薬品使⽤体制加算について
本記事は「外来後発医薬品使⽤体制加算」について、経営コンサルタントの竹下が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1.「外来後発医薬品使用体制加算」とは
「外来後発医薬品使用体制加算」とは、診療所の後発医薬品使用体制を評価する制度で、1処方につき算定可能です。院内処方を行っている診療所であって、後発医薬品の使用割合の高い診療所が算定の対象となります。
これらを算定するためには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合していることと、届け出が必要になります。
また令和6年度診療報酬改定では、後発品の使用促進を目的として、以下の通り加算点数が引き上げられました。
(現行)
▽外来後発医薬品使用体制加算1:5点
▽外来後発医薬品使用体制加算2:4点
▽外来後発医薬品使用体制加算3:3点
↓
(見直し後)令和6年度診療報酬改定
▽外来後発医薬品使用体制加算1:8点(+3点)
▽外来後発医薬品使用体制加算2:7点(+3点)
▽外来後発医薬品使用体制加算3:5点(+2点)
2.「外来後発医薬品使⽤体制加算」算定要件
「外来後発医薬品使用体制加算」の算定要件は、
◆後発品数量割合
▽加算1:90%以上
▽加算2:85%以上
▽加算3:75%以上
◆カットオフ値
▽加算1-3:50%以上
加算1から3の全てに共通して50%以上のカットオフ値が設定されています。
これは、診療所が後発医薬品を一定割合以上使用する必要があることを意味します。
<カットオフ値とは?>
カットオフ値とは、診療所が後発医薬品を使用する際に最低限達成しなければならない基準値のことです。
具体的には、外来後発医薬品使⽤体制加算1~3を算定する場合には、診療所全体で使用される医薬品のうち、後発医薬品が占める割合が50%以上である必要があります。
◆その他要件
▽医薬品供給が不足した場合の適切な対応体制の整備
▽「後発品使用に積極的に取り組んでいる旨」、「前記体制に関する事項」、「医薬品供給状況により投与する薬剤を変更する可能性があること」、「変更する場合には患者に十分に説明すること」を、院内掲示・ウェブサイト掲載(ウェブサイト掲載については2025年5月末までの経過措置あり)
3. まとめ
今回の令和6年度診療報酬改定では、外来後発医薬品使用体制加算の点数が引き上げられました。
後発品の使用促進を目的としたこの改定により、医薬品供給不足時の対応体制を整備するとともに、患者様への十分な説明も求められます。
さらに、2024年10月より開始される長期収載品の選定療養費の影響を把握し、対象の医薬品を処方する場合に適切な対応が必要です。
2024年10月より、長期収載品の選定療養費が導入され、厚生労働省から対象医薬品リストが公表されました。
この変更により、患者の自己負担が増加する可能性があります。
特に「ヒルドイド」などの皮膚科で多用される薬剤が対象となり、患者負担額が増えることから、一般名処方での処方体制を実施する傾向が見受けられます。
参考▼厚生労働省ホームページ
後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について
(令和6年4月19日 厚生労働省からの事務連絡より)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001247591.pdf
尚、長期収載品の選定療養費の患者自己負担金額についての詳細は以下のコラム(長期収載品の患者自己負担について)を参照ください。
参考▼長期収載品の患者自己負担について
https://www.credo-m.co.jp/column/detail/hosyu/15591/
参考▼皮膚科経営ドットコム「長期収載品の選定療養に対する皮膚科医院の対応」
https://credo-m.co.jp/hifuka/topics/management-plan/661.html
本コラムが少しでもお役に立てれば幸いです。