クリニックにとって「IT化」と「DX化」は何が違う?【クレド事務長代行】

先生が感じている「DX」という言葉へのモヤモヤ

医師会の勉強会や業者からの案内で、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を目にする機会が増えてきました。
なんとなく“良さそうなもの”というイメージはありつつも、

・診療だけでも手一杯の中で、そこまで手を広げられる気がしない
・freee会計のようなサブスク型システム導入など、「新しいことを覚えなければならない」という心理的なハードルが高い

と感じておられる先生も多いのではないでしょうか。

一方で、日々の業務を振り返ると
「毎月同じような一覧表を作り直している」
「紙に書いた内容を、あとからPCに打ち直している」
「スタッフからの同じ質問に、何度も口頭で答えている」
といった “ちょっとした手間” が積み重なっているのも事実です。そこで今回は先生の日常業務の感覚から見た「IT化」と「DX化」の違いを、整理してみましょう。

IT化とDX化の違いは「どこまで変えるか」

IT化=手段

IT化とは、紙で行っていた作業を、そのままパソコンやクラウドに置き換えるイメージです。

とてもシンプルな形で一例を挙げると
・紙の台帳をスプレッドシートにする
・FAXで送っていた連絡をメールやチャットに変える

といったように、仕事の流れや役割分担はほとんど変えず、媒体だけ紙からデジタルに変えるのがIT化と考えるとわかりやすいでしょう。

DX化=仕組み

一方、DX化はIT化をきっかけに

・院長先生が一人で抱えていた業務を、スタッフと分担できるよう流れを組み直す
・そもそも別のやり方に置き換え、院長先生がその業務から抜けられるようにする

といった“仕事の流れ”“役割分担”そのものを変えてしまうことを指します。派手なシステムを入れることだけがDXではありません。IT化を土台に、診療外業務の負担を減らす仕組みを整えることも、クリニックにとって立派なDXと言えるでしょう。

難しい作業ではないが「手間な作業」にこそDXの入口がある

先生方とお話ししていると、次のような声をよく伺います。

「スタッフの勤務シフトや当番表など、”毎月作り直している資料”を、より短時間で管理できないだろうか」
「有給申請書など”紙で提出してもらっている記録”を、別のスタッフが入力し直す二度手間を減らしたい」
「就業規則やルールの説明を、毎回同じように口頭で説明している」

こうした本来ならば事務長に任せてしまいたいような作業ですが、一つひとつは小さくても毎月積み重なることで院長先生やスタッフにとって無視できない負担になります。だからこそ「そこまで大がかりに変えなくていいけれど、この手間だけ何とか削減できないか」というお気持ちが生まれてくるのは自然なことでしょう。

クリニックにとっての“ちょうどいいDX”とは

DX化を進めるうえで大切なのは「何のために、どこまで変えるのか」という目的を明確に掲げることです。大きな投資や劇的な変化を、いきなり目指す必要はありません。まずは「今、少し手間だと感じていること」に目を向ける。その中から「紙をやめるだけ」「情報の転記をやめるだけ」で済む部分を探す。可能であれば、院長先生が対応されている診療外業務を、スタッフでもできる様な簡素な仕組みに変えてしまう。こうした小さな工夫の積み重ねこそが、クリニックにとって“ちょうどいいDX”のスタートになります。“難しいことを始める”というより、“いつもの仕事を少しラクにする工夫”としてDXを捉えていただければ十分です。

なお、今回お伝えしたような”ちょうどいいDX“の導入は、事務長がいるクリニックでも同じように有効です。DXを進めておくことで、事務長が対応する事務作業そのものがシンプルになり、事務長にはスタッフ対応や業者調整など、より「人の力」が必要な業務に集中してもらえるようになります。

とはいえ、
「まず何から手をつければいいのかイメージしづらい」
「他院ではどのようなDXが進んでいるのか知りたい」
と感じておられる先生も多いかと思います。

そこでクレド事務長代行では、「クリニックのセルフDX」をテーマに、現場でご活用いただける「ちょっとした手間をなくすDX事例」を紹介するセミナーを2025年11月に開催いたしました。

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