
クリニックで起こりがちな「スタッフとの面談」の問題
スタッフのモチベーション維持や離職防止の観点から、定期的な面談の重要性は多くの院長先生が理解されていることでしょう。一方で現実には、
「診療だけでも手一杯の中で、スタッフとじっくり向き合う時間が確保できない」
「せっかく面談をしても、スタッフが本当に考えていることが伝わってくる感覚がない」
と感じておられる院長先生も多いのではないでしょうか。
同時に、「スタッフの雰囲気が最近変わった」「ここ数年、スタッフの出入りが増えている」「スタッフからの改善提案や相談がほとんど上がってこない」といった違和感を感じておられるのも事実かもしれません。そこで今回は、院長先生の日常から見た「スタッフとの面談」の現実と、本当に必要とされる面談のあり方について、整理してみましょう。
スタッフ面談が必要な理由
そもそもなぜクリニック経営においてスタッフとの定期的な面談が重要となるのでしょうか。面談をする意義は主に次の3つです。
● スタッフの定着と満足度向上に直結する
スタッフが早期に離職する主な原因は、給与よりも「職場の人間関係」や「やりがい」といった心理的な要因です。スタッフの想いや困りごとを早期に察知し対応できれば、モチベーション維持、採用・教育コストの削減、スタッフの知識や経験の活用につながります。
● 職場環境と業務改善のヒントが得られる
診療最前線にいるスタッフだからこそ気づいている課題があります。スタッフの声に耳を傾けることで、業務効率化や診療品質向上につながる改善のヒントが数多く得られます。
● 見落としていた課題改善の機会に気づく
スタッフの本当の想いや現場の課題が見えれば、「あの時、言ってくれたら状況を変えることができたのに」という改善機会に気づき、ちょっとした工夫で改善できることが見えるようになります。
院長とスタッフのコミュニケーションギャップの真実
スタッフから院長先生には本音を言いづらい現実
しかしスタッフの立場からすると、院長先生は「評価者」であり「決定権者」です。だからこそ、待遇や人事評価に関する本当の気持ち・職場の人間関係に関する悩み・業務上の負担といった思いは、院長先生には伝えづらくなってしまいます。
自分が言ったことが「評価に響かないか」と無意識のうちに言葉を選んでしまう。これは、上司と部下という立場の違いから生まれる、ごく自然な心理です。
その結果、スタッフの本当の困りごとが顕在化しない、組織の改善につながるヒントが埋もれてしまう、スタッフのモチベーション低下や離職につながるといった事態が進行してしまうこともあります。
院長先生主導の面談には「構造的な限界」がある
いくら院長先生が「安心して話してもらえるような面談」を心がけていても、スタッフが「上司との面談だから本当のことは言えない」と考えていれば、二者間の認識にズレが生じたままになってしまいます。
ただ、院長先生がどんなに対応を工夫しても、この課題は立場の違いが生む構造的な壁となっており、埋めることはできません。
人事評価に関わる権限を持つ院長先生との面談である以上、「本音で話す」ことの心理的ハードルは、必ず存在します。
「院長先生主導」から「第三者活用」へ
ではどうすればいいのか?その答えは「第三者による面談」にあるかもしれません。
第三者面談だからこそ、スタッフが安心して話せる
第三者が面談を行うことで、スタッフには一定の安心感が生まれることがあります。人事評価と関係のない立場だからこそ、「言ったことが評価に響く」という不安がなく、率直な意見が言いやすくなる面もあるのです。
院長先生の面談では「いい回答をしよう」と構えていたスタッフも、第三者の前では「自分たちの困りごとを、そのまま伝える」という姿勢に変わることがあります。
第三者面談で期待される効果
● 一部のスタッフからの本音を聞き出せる可能性がある
● 直接的な利害関係者出ない分、スタッフも話をしやすい
● 院長先生の心理的負担が軽減される
● 「スタッフの声を大切にしている」という院長先生からのメッセージがスタッフに伝わり、組織への帰属意識が高まる
スタッフの満足度向上を目指す院長先生へ
「スタッフの本当の声を、どのようにして拾い上げるか」一度普段と異なる角度からスタッフとの面談の進め方について見直してみるのも良いかもしれません。
大切なのは、面談を“定期的に実施すること”そのものではなく、現場の困りごとや不安が、表に出る前に把握できる状態をつくることです。そのために、院長先生とスタッフの二者面談に加えて、第三者による面談を組み合わせるという選択肢もあります。
クレド事務長代行では、クリニックの状況に応じて(例:2ヶ月に1回/半期の賞与評価のタイミングなど)、スタッフへの第三者面談を実施し、内容を整理したうえで院長先生へ共有しています。
「面談はしているが本音が見えにくい」「離職の兆しを早めにつかみたい」など、現状に課題感がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
