
クリニックにおける診療外業務とは
クリニックの運営を考える際は、つい診療そのものに注目しがちです。しかし実際には、スタッフのシフト調整や物品の補充、経理・人事、IT管理など、さまざまな診療外業務が円滑に回っているからこそ、院長先生が安心して診療に専念できる環境が整うと言えるでしょう。以下にクリニックにおける診療外業務について主要なものをまとめました。
クリニックで発生する主な診療外業務
人事・労務管理
勤怠管理、給与計算、採用対応(求人原稿の作成・各種掲載媒体に関するやり取り・求職者との日程調整・面談・その他選考対応etc)、入退社手続き、社会保険、就業規則の作成や管理、福利厚生の対応、スタッフ育成など
経理・会計管理
入出金管理、請求・支払管理、経費精算、帳票や領収証の管理、月次・年次決算対応など
施設・物品管理
医療機器・消耗品の在庫管理・発注、設備や備品の保守・業者対応、衛生管理など
IT・DX・システム関連
電子カルテ・予約システムの導入管理、ICTツールの導入管理、WEBサイト管理など
事務手続き・庶務全般
電話・来客対応、文書・院内掲示物やお知らせの作成、マニュアル・手順書の整備・更新など
近年の診療外業務の変化と現場の課題
クリニックにおける診療外業務は非常に多岐にわたり、クリニックの成長と共に増加する傾向にあります。特にここ数年で、クリニックを取り巻く環境は大きく変化しました。診療報酬改定や労働関連法の整備、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などの影響により、診療外業務の負担や求められる専門性は一層高まっています。
これらの変化により、従来のやり方や人員体制だけでは対応が難しい場面が増加しており
・スタッフの負担やストレスが増えてしまう
・属人化やミスの発生に不安が残る
・医療事務の人数が今のままでは足りない
といった課題や悩みの声が多く聞かれるようになっています。限られたスタッフの数では複雑化した診療外業務の課題改善を進めていくにあたって、やはり業務効率化のための取り組みがポイントとなるでしょう。
業務改善、業務効率化のポイント
限られたスタッフ数と時間で、多様化・高度化する診療外業務を乗り越えていくためには、組織全体での業務の見直しや改善が欠かせません。ここでは、現場で取り組みやすく、かつ効果が高い3つのポイントをご紹介します。
業務内容の見える化
クリニックで発生する診療外業務を一度「棚卸し」し、どのような業務が、誰によって、どのような手順で進められているかを整理します。これにより「何となく担当している」「前任者のやり方をそのまま踏襲している」といった曖昧さを解消し、スタッフ全員で業務内容や流れを共有できるようになります。また、業務の重複やムダ作業が見つかることも多く、改善すべきポイントの発見にもつながります。さらに、担当者が急な休みに入った場合でも、他のスタッフが把握しやすくなるという副次的なメリットも生まれます。
業務プロセスの標準化
「人によって作業のやり方が違う」「ベテランにしか分からない」といった状況は、業務の非効率や属人化、ミスの温床になりがちです。これを防ぐためには、業務ごとの手順書やマニュアル、チェックリストを作成し、誰が担当しても同じ品質で業務を進められる状態を目指します。標準化することでスタッフの教育や引き継ぎもスムーズになり、全体の業務品質が安定します。新人スタッフでも短期間で業務を覚えやすくなり、現場の負担軽減にもつながります。
適切な分担体制の構築
クリニックの規模やスタッフ数、各スタッフの得意分野や経験に合わせて、無理なく業務を分担できる体制をつくることも重要です。特定の業務が一人に集中してしまうと、業務の遅れやミスを誘発してしまい、スタッフのモチベーション低下につながることもあります。また院内だけでは十分に対応できない業務や、より高度な専門性が求められる業務の場合には、外部リソースを活用する方法もあります。
アウトソーシングという選択肢
診療外業務の改善、効率化はクリニック運営の基盤強化や医療サービスの質向上につながります。しかし、実際には日々の診療に追われ、診療外業務まで「改善」「効率化」の手が回らないというクリニックも少なくありません。
最近は、採用難や人材定着の難しさ、既存スタッフの業務負担増加といった背景から、院内リソースだけでは診療外業務をまかなうことが難しくなってきたとお問い合わせを下さるケースも増えてきました。
「今のやり方に不安がある」「業務改善したいけど時間がとれない」「スタッフの教育やマニュアル整備を手伝ってほしい」
こういったお悩みがございましたら、クレド事務長代行の「無料相談」を活用ください。今お悩みになられている課題解決のきっかけになれば幸いです。
