リーダー以上のスタッフが退職してしまう場合、業務の引継ぎはどのように進めればいいのか

スタッフの退職はいつも悩みの種ですが、リーダーや幹部クラスのスタッフの退職となると、いつも以上に頭を悩ませていることでしょう。やはり背景としては、その方の影響力はもちろんのこと、「そのメンバーにしか任せていない業務」が存在し、その業務の引継ぎを進める必要があるからではないでしょうか。

そして、その任せていた業務範囲が広ければ広いほど、引継ぐ範囲が広くなってしまうことで、クリニック全体の運営はもちろん、場合によっては診療にも影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

「うちのスタッフに限って退職するはずがない。」 「引継ぎはスタッフに任せておけばいい。」 とお考えの先生もいらっしゃるかもしれませんが、実際に正しい引継ぎが出来ていなかったことにより後のクリニック経営に支障が出ることは少なくありません。

そのため、退職の有無にかかわらずリーダーや幹部クラスのスタッフが普段どのような業務を担当しているかを把握しておくことは非常に重要です。業務内容を日頃から明確にしておくことで、急な退職や人事異動の際にスムーズな引継ぎが可能になります。ここではリーダーや幹部クラスのスタッフが担当している業務の一例をあげてみましょう。

リーダーや幹部スタッフが担当する業務(例)

リーダーや幹部スタッフは、クリニックの日常運営において院長先生をサポートする役割を担っており、該当する業務は以下のような内容があります。

・日計処理(会計ソフトへの入力、帳簿整理)
・庶務業務(備品管理、清掃スケジュールの作成、外部業者への連絡)
・レセプト作成や請求業務
・院長先生からの指示伝達の共有(他スタッフに対する業務の伝達)
・採用面接への同席
・新人スタッフへの業務レクチャー(基本的な業務の説明)
・マネジメント全般(スタッフの指導、研修の実施、シフト作成)
・重要な庶務業務(補助金申請、各種届出の書類作成および申請)
・外部対応(税理士やベンダーとの連絡、契約更新など)
・採用業務全般(面接、選考、採用活動全般) など

業務の整理と役割分担の重要性

リーダーや幹部クラスのスタッフが退職すると、引継ぎが不十分なまま重要な業務が「宙に浮いた」状態となり、クリニックの運営に支障をきたすことがあります。また、退職に伴い急いで採用を進める必要がある場合、業務が滞るリスクやプレッシャーに不安を感じる院長先生も少なくありません。

特に、業務内容や役割分担が不明確だと採用・引継ぎ双方がスムーズに進まず、さらに悪影響を及ぼすことがあります。業務が明確に整理されていれば、「担当できる」スタッフを選定もしくは採用するだけで済む場合もありますが、業務内容が曖昧な場合には、まず業務の棚卸しを行い、誰にどの業務を担当してもらうのかを整理する必要があるでしょう。この準備を怠ると、退職による空白期間が長引き、クリニック全体の運営が停滞するリスクが高まります。スムーズな引継ぎのためには、日頃から業務内容と役割分担を明確にしておくことが理想です。

まとめ

日頃から業務の棚卸をしておくことは、クリニックの円滑な運営に欠かせません。可能でしたら業務リストを作成し誰がどの業務を担当しているのかを明確にしておくと、万が一スタッフが退職しても慌てずにスムーズな引き継ぎが出来るでしょう。また、普段から業務内容を整理しておくことでスタッフ間の役割分担が円滑になり、業務の効率化にもつながります。

業務内容や役割分担の整理が難しいと感じられる場合や、作業時間の確保が困難な場合にはクレド事務長代行にご相談ください。院長先生へのヒアリングを通じて、クリニック内の業務棚卸、スタッフへの役割分担を進めることでクリニック全体の運営を支える体制づくりをサポートいたします。

最近では退職に関係なく、業務の整理やスタッフへの引継ぎを効率的に進めるためのご相談も増えています。 「業務をスタッフに任せたいが、忙しさでついつい自分で対応してしまう。」 「教える時間を確保できていない。」 とお感じの院長先生も、お気軽にご相談ください。