経営計画
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クリニックの収益構造を見つめなおす

最近ニュースを見ていると、「○月の物価指数が上昇」「給食の量が減少」といった物価高騰の話題がやたらと目につきませんか?

実際、スーパーに行けば、お米や野菜、調味料の値段に驚くこともしばしばあります。
日常生活だけじゃなく、医療の現場でもその“値上げの波”はじわじわと押し寄せています。

例えば、
医療消耗品の価格がじわじわ上がっていたり…
看護師さんや事務職の求人に思うように人が集まらなくなっていたり…

物価が上がる。人件費も上がる。
でも、診療報酬は…そんなに簡単には上がらない。

だからこそ、いま必要なのは「クリニックの収益構造を見直す」という視点です。

●カット1,000円?6,000円?美容室に見る“収益のカラクリ”

突然ですが、「1000円カット」に行ったことはありますか?
早い・安い・そこそこ。「1000円カット」の便利さには、ファンも多いかと思います。

一方で、「ちょっとお金を出しても、丁寧に仕上げてくれる美容院がいい」という人もいる。
同じ“髪を切る”という行為でも、店によって価格は大きく違います。

ここで注目したいのは、どちらが正しいとか優れているという話ではなく、「目的が違えば、仕組みも変わる」という点です。

たとえば1000円カット

カットは10分以内
パーマやカラーはしない
髪の掃除は掃除機でサッと
スタッフは効率重視で採用

このスタイルだと、施術の質よりも“数”が勝負。
つまり、少ないコストで、短時間に多くの顧客をさばくことで利益を出すビジネスモデルです。

一方の美容室は?

丁寧なカウンセリング
カラー・パーマ・ヘッドスパなどメニューが豊富
接客や空間づくりも重視
スタッフの教育にも時間とコストをかける

当然、コストはかかりますが、その分客単価が高く設定できるため、収益を出す仕組みができています。

●内科クリニック経営における収益構造の考え方

~「効率重視型」か「高付加価値型」か、自院に合ったスタイルとは~

少し極端な話になりますが、美容室のビジネスモデルは、実は医療の現場にも応用できる考え方です。

①ローコストオペレーション型の内科クリニック

できる限り経費を抑え、効率を最大化するスタイルです。

たとえば…

・看護師・医療事務は最小限の配置
・検査や処置は「絶対に必要なもの」に絞る(点滴や採血も最小限)
・スタッフ教育にかかる時間とコストも削減
・再診患者への定期検査なども「本当に必要かどうか」を見極めて実施

このように、限られた人員で効率的に診療を回し、基本点数を積み重ねることで利益を確保するモデルです。

ただし注意点もあります。

・患者対応が機械的になりやすく、満足度が下がる可能性がある
・口コミでの評価が悪化すると、集患に影響が出ることも
・来院数頼みの構造なので、立地や認知度が重要

したがって、このスタイルを選ぶ場合は「都市部」「駅近」など、患者数が確保しやすい立地であることが前提になります。
また、広告や予約導線の整備も必須です。

②高付加価値型の内科クリニック

丁寧な医療とサービスで、1人あたりの診療価値を高めていくスタイルです。

たとえば…

・処置や検査、健診などの「価値ある医療」を積極的に提供
・看護師を十分に配置し、採血・点滴・健診業務などを任せる
・健康診断・予防接種・点滴療法・栄養指導など、自費メニューを強化
・スタッフ教育にも投資し、接遇品質の高いクリニックを実現
・広告費や機器投資、院内デザインも「選ばれる要素」として意識

こちらは、いわば“美容室”型の経営。
1人の患者さんにじっくり時間をかけ、その分高単価・高満足を実現していくスタイルです。

このモデルの強みは、患者さんとの信頼関係やリピートに繋がるという点です。
特に、健康意識の高い層や慢性疾患で定期的に通院される方とは相性が良く、「かかりつけ医」として長期的な関係を築きやすくなります。

もちろん、初期投資やランニングコストは大きくなりますが、客単価で収益を支えるモデルとして成立します。

「どちらが正解か」ではなく、「どちらが自院に合っているか」

重要なのは、「自院の立地」「患者層」「院長の診療スタイル」に合ったモデルを選ぶことです。

そしてどちらのモデルも、“戦略的に設計”されていることが大切です。

収益構造の再設計が、これからのクリニック経営の鍵

人件費・物価の上昇、患者ニーズの多様化。
これからの時代、「良い医療をしていれば自然と患者が集まる」という考え方だけでは、経営の安定が難しくなっています。

だからこそ、自院の強みや診療スタイルを踏まえて、「どこに投資をし、どこを効率化するか」を見直すことが、クリニック経営における大きな分かれ道となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回ご紹介した診療モデルや収益構造の考え方について、もっと詳しく知りたい方は、ぜひ無料の経営相談をご活用ください。「うちはどちらのタイプが合ってる?」「今のままで利益は確保できる?」といった疑問も、クリニックの現状に合わせて丁寧にお答えいたします。
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