クレドメディカルの池田です。
近年内科クリニックにおいても、肥満外来やAGA、プラセンタなどの美容領域、サプリメントや運動施設との提携といった生活習慣病予防領域の自費診療への関心が高まってきています。自費診療へ関心が高まる中で、いま一度抑えておいていただきたいことが“インボイス制度”です。
まず、インボイス制度とは、事業者が消費税の仕入税額控除を受けるために、「適格請求書(インボイス)」の発行・保存を義務化した制度で、2023年10月から本格運用が開始されました。
仕入税額控除とは?
仕入税額控除について簡単に整理しておきますと、
そもそも患者さんが医院で自費診療を受けた場合には、消費税が発生します。消費税をクリニックが一時的に預かっている状態となり、年度末にまとめてクリニックから納税するのですが、この時の納税額からクリニックが仕入れなどで支払った消費税額を控除してよいという仕組みです。
仕入税額控除イメージ
| 売上の消費税額(患者さんの支払いに係る消費税)ー 仕入れや経費の消費税額 = 納付税額 |
インボイス制度とは?
この仕入れ額控除を受けるためには、仕入れや経費の消費税額が正しいと証明するために領収書へのインボイス番号記載が必要になってきます。インボイス番号は事前に登録事業者として申請しておく必要があり、事業者ごとに番号が発行されます。インボイス登録をすることで、免税事業者であっても消費税納税義務が発生する点には注意が必要です。
インボイス制度について詳しくは当社のコラムもご覧ください
(https://www.credo-m.co.jp/column/detail/ent/13687)
さて、ここまで制度について説明してきましたが、本題はここからです。実はこのインボイス制度に適切に対応をしたクリニックと、そうでないクリニックとの間で、既に年間数百万円の売上差が生まれ始めているのが現実です。このインボイス制度がどのようにクリニック経営に影響を与えるのか?について見ていきます。
この差が生まれる大きなポイントは3つあります。
1)対企業取引(予防接種・福利厚生)
2)一般患者への影響
3)健診・検診委託
1.内科クリニックが最も警戒すべき「対企業取引」
〇インフルエンザワクチンの企業接種
東京都内のある内科クリニックでは、毎年10月から12月にかけて約500名の企業従業員のインフルエンザ予防接種を行い、年間約150万円の収益を上げていました。
ところが、2023年から補助元の企業が「インボイス対応クリニックのみが対象」と条件を変更。そのクリニックは登録していなかったため、この収益を全て失ってしまいました。さらに困ったことに、翌年登録しても、既に他のクリニックに患者さんが流れてしまい、大手企業の集団接種の機会を逃してしまいました。
〇福利厚生
最近では、福利厚生の一環として「健康手当」「美容手当」を設けている企業も増加してきており、従業員の健康や美容を保つためのサプリメント購入、美容整形、脱毛、注射などの自費診療も対象としています。こうした福利厚生を利用する際にも、インボイス登録事業者から購入、利用したことを条件として定めていることがほとんどのため、インボイス登録をしていないことで対象から外れてしまいます。
2.一般患者への影響
一般患者においても、インフルエンザワクチンの接種や健康診断の補助、上記に上げたような福利厚生を利用する方が一定数いらっしゃいます。一見個人消費に見えても、その後ろには企業がついているケースもあるため、自分で選んで予防接種や健康診断、自費診療を受ける場合には、インボイスが条件となっていることもあります。
3.健診・検診委託
自治体や企業からの健康診断委託も同様です。ある地方都市の内科クリニックでは、市からの特定健診委託(年間約180万円)がインボイス未対応を理由に他院に移管されてしまうケースもありました。このクリニックではその他の自費診療での収入が少なく免税事業者だったのですが、登録をすることで納税義務が発生することへの懸念からインボイス登録をしていませんでした。この判断により、「損して得取れ」で目の前の小さなコストに気を取られ、大きな利益を逃してしまう結果になりました。
まとめ
ここまで見てきたように、自費患者の集患に大きく影響を与えることが分かります。ある医院では、インボイス登録をしなかったことで、企業健診・予防接種の機会を逃し、年間の自費売上が300万円損をしてしまったとお話を伺ったこともあります。保険診療が厳しくなる中、内科クリニックにとって、これらの安定収入源を失うことは、経営の根幹を揺るがす問題です。
インボイス制度への対応は、内科クリニック経営者にとって避けて通れない重要な経営判断です。そして、この判断によって、今後数年間の収益構造が大きく左右されることになります。「まだ大丈夫だろう」という楽観的な考えは禁物です。すでに多くの企業や自治体が動き始めており、対応の遅れは直接的な減収につながります。一方で、適切な戦略を立てて対応すれば、この制度変更を成長のチャンスに変えることも十分可能です。
もし、貴院の状況に最適な戦略立案や、自費診療強化の具体的な方法についてご相談されたい場合は、ぜひ当社の無料経営相談をご活用ください。一緒に、この変化を成長のチャンスに変えていきましょう。
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