本記事では、整形外科クリニックの会計業務を効率化し、スタッフ負担を軽減するための「キャッシュレス決済」「自動精算機」「自動釣銭機」の導入について解説します。 会計の流れを改善することは、患者満足度を高めるだけでなく、スタッフが本来の業務に集中できる環境づくりにも繋がります。導入の際に検討すべきポイントや注意点を、現場目線で整理しました。
<目次>
1.はじめに
2.会計をスムーズにする3つの支払方法
3.導入のステップ
4.まとめ
1. はじめに
整形外科クリニックでは、他の診療科目と違ってリハビリによる通院があるため通院回数が高く、1日の来院患者数も多いことから、診療後の会計業務が込み合うことが少なくありません。会計待ち時間がかかると、待合室の混雑やスタッフの業務負荷の増大だけでなく、患者さんにとっても待ち時間が長いクリニックという印象を与えてしまいます。
近年は、キャッシュレス決済や自動精算機の導入によって、会計待ち時間を短縮するだけでなく、スタッフの負担を減らす整形外科クリニックが増えてきています。これらを導入するにあたって、患者層や運用体制に合わせて最適な形を選ぶことが、重要なポイントとなります。
2. 会計をスムーズにする3つの支払方法
整形外科クリニックでは高齢者層の患者さんが多いことから、キャッシュレス決済の導入に踏み切れていないクリニックが多い傾向にありましたが、近年では支払方法の多様化とともに「現金以外の支払い手段」を整える動きが進んでいます。整形外科クリニックにおける代表的な支払方法は次の3つがあります。
①キャッシュレス決済
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などを導入する方法です。釣銭のやり取りが減り、会計処理の時間を短縮できます。一方で、ブランドによって手数料(概ね1~3%前後)が異なるため、導入後のランニングコストを考慮した選定が必要です。
②自動精算機
診療後、患者さん自身が画面の案内に従って支払いを完了できる仕組みです。現金・キャッシュレスの双方に対応できる機種も多く、受付スタッフの業務を大幅に減らすことができます。ただし、診療終了後から受付を通ってから精算をするのか先に精算をしてから受付で処方箋をお渡しするのかなど、院内動線を慎重に設計しないと混雑を生む要因にもなりかねませんので注意が必要です。
③自動釣銭機(セミセルフ式)
高齢の患者さんが多い整形外科では、操作のしやすさも重要となります。セミセルフ式であれば、スタッフが金額確認を行い患者さんは現金を入れるだけで支払いが完了します。画面操作が不要なため、説明負担が少なく、導入初期でもスムーズに運用できます。
3. 導入のステップ
①導入の目的を整理する
まず「なぜ導入をするのか」を明確にしておく必要があります。スタッフの中にはこれらの導入に対して“余分な業務負担”と思う方もいらっしゃいます。会計待ち時間を減らしたいのか、スタッフの現金業務(レジ開設や締め作業)の負担を減らしたいのかなど、目的を絞ることで納得感を得られるだけでなく、必要な機能や機種の方向性が明確になります。
②機器・決済手段を比較して選定
導入費用や決済手数料、保守サポート、そして電子カルテやレセコンとの連携可否などを総合的に比較します。キャッシュレス決済の場合はブランドごとに手数料率が異なりますので、総合的に自院にあった機器を選定する必要があります。
③案内・周知を徹底する
導入直後は、受付や待合室に操作案内を掲示し、スタッフ全員が同じ説明をできるように統一しておくことが大切です。慣れるまでの数か月は「患者さんを支援する機関」と捉え、丁寧に案内することでスムーズな定着につながります。
④運用ルールを整備する
患者層や院内の動線に応じて、どのような形で運用するかを明確にしておきます。
例えば、
・最初の内は操作説明を行うスタッフを精算機近くに配置する
・セミセルフ式を採用し、患者さんはお金を入れるだけで完結できるようにする
・操作画面に説明が常時表示される機種を選定する
といった要素によって、必要なスタッフの配置や動線設計が変わります。導入前にあらかじめ想定しておくことで、導入後の混乱を防ぐことができます。
4. まとめ
キャッシュレス決済や自動釣銭機を導入することで、会計業務のスピードが上がり、会計待ちの混雑を軽減することができる可能性があります。現金の取扱いが減ることで釣銭ミスやトラブルも少なくなり、衛生面の安心感も高まります。
また、スタッフの業務量が減ることで、受付やリハビリへの案内、次回来院の予約など浮いた時間で別の業務に掛けることができる量が増えます。
支払の流れを整えることは、単なる設備投資ではなく「患者さんが通いやすい環境をつくる仕組み」です。小さな改善が日々のストレスを減らし、結果としてクリニック全体の印象をよくしていきます。
今回はキャッシュレス決済と自動精算機についてお伝えしましたが、今後も時代の流れに合わせて、競合医院に先立って時代遅れにならない経営をするためにも、患者さんに不便を感じさせない整形外科クリニックになるためにもご参考いただければ幸いです。