経営計画

外来リハビリと訪問リハビリの併用について

今回は外来リハビリと訪問リハビリは併用できるのかについて解説していきます。

■外来リハビリ(医療保険)と訪問リハビリ(介護保険)の併用について
基本的に、外来リハビリテーション(医療保険)と訪問リハビリテーション(介護保険)を同時に利用することはできません。

介護保険制度では、要介護認定を受けた方については「介護保険サービスが優先」されることが明確に定められており、同一疾患に対して医療保険での外来リハビリは原則として算定対象外になります。

ただし、急性増悪など医師が医療的必要性を認めた場合には、医療保険での外来リハビリが一時的に認められることがあります。これは例外的な対応であり、日常的な併用は認められていません。

■外来リハビリと訪問リハビリ(医療保険)の併用はできるか?
訪問リハビリを医療保険で提供する場合の正式名称は「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」です。

この制度では、「通院が困難であること」が算定の前提条件となっており、通院して外来リハビリを受けられる方は訪問リハビリの対象にはなりません。したがって、外来と訪問の医療保険での併用は不可とされています。

■例外的に併用が認められるケース(介護保険)
一方、介護保険を用いた訪問リハビリと外来リハビリの併用が一時的に認められる移行期間があります。

たとえば、外来リハビリを行っていた患者さんが、他施設で介護保険による訪問リハビリを開始する場合、利用開始日を含む月の翌々月までの間は併用が可能です。

■併用期間の具体例
6月に訪問リハビリ(介護保険)を開始

8月末までは外来リハビリと併用可能

9月以降は介護保険の訪問リハビリに完全移行

この期間中、医療保険による外来リハビリ(疾患別リハビリテーション)を算定するには、診療録および診療報酬明細書に「介護保険におけるリハビリテーションの利用開始日」を記載し、同一の疾患等に対する介護保険におけるリハビリテーションを実施した日以外であれば、算定が可能です。
さらに、算定可能な外来リハビリの単位数は月7単位以内に制限されています。

■まとめ
外来リハビリと訪問リハビリは、それぞれ制度の目的や対象者が異なるため、原則として併用できません。
特に、要介護認定を受けている患者については、介護保険サービスが優先されるため、制度理解が不可欠です。

ただし、訪問リハビリへのスムーズな移行を目的とした短期間の併用は制度上認められています。
このようなケースでは、適切な記録管理と算定ルールの把握が求められます。
整形外科医院で訪問リハビリの導入を検討中の院長先生にとって、併用ルールの理解は患者様への継続的なリハビリ提供や算定トラブルの回避にもつながります。

本記事が、外来リハビリと訪問リハビリの併用に悩まれている整形外科医院の先生方にとって参考となれば幸いです。
制度や運用に関するご相談も承っておりますので、必要があればお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。