オペレーション

整形外科クリニックのDX活用化とオペレーション

<目次>

1. はじめに:2025年、変化を迫られる医療現場
2. DX化が整形外科にもたらす3つのメリット
3. 整形外科クリニックにおけるDX実践例
4. 導入の壁と向き合う
5. まとめ

1. はじめに:2025年、変化を迫られる医療現場

整形外科クリニックにおいては、今後ますます増加が見込まれる高齢患者への対応と、慢性的な人材不足という二重の課題が顕在化しています。
特に2025年問題と呼ばれる「団塊世代の後期高齢者化」は、整形外科診療の現場に大きなインパクトを与えます。

これらの課題解決のカギとなるのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
今やDXは、単なる業務効率化の枠を超え、クリニック経営に欠かせない視点となっています。

2. DX化が整形外科にもたらす3つのメリット

限られた人材でも効率的に運営可能に

人手不足が慢性化する中、機械やシステムが一部の業務を代替することで、受付・会計・問診などの手作業を削減できます。
これにより、スタッフの負担が軽減され、接遇の質向上や業務教育などへの注力が可能になります。

業務の標準化と省力化

DXツールの活用により、業務手順が明確化され、誰でも一定の品質で業務が行えるようになります。
これにより、新人教育の時間や属人化のリスクも軽減されます。

③患者の院内滞在時間の短縮

問診、受付、会計などのプロセスを事前または自動化で済ませることで、待ち時間を短縮。
特に高齢患者にとって、スムーズな流れは大きなストレス軽減となります。

3. 整形外科クリニックにおけるDX実践例

①WEB問診の導入

電子カルテを使用しているクリニックでは、WEB問診の導入によって来院前に症状や既往歴を把握することが可能です。

  • 「いつから」「どのように痛む」といった情報を事前取得することで診察の質が向上。
  • 問診のカルテ転記作業が不要となり、受付業務の削減に。
  • 高齢者には紙ベースと併用して運用することで対応可能です。

②自動精算機の導入

自動精算機は整形外科においても徐々に普及が進んでいます。

  • QR決済やクレジットカードに対応しており、患者の利便性が向上。
  • 会計ミスの防止、レジ締め作業の効率化につながり、残業の抑制にも有効。
  • 保険診療と自費診療の分割運用にも対応しやすくなります。

オンライン資格確認の活用

補助金で導入はしたものの、実際には活用されていないケースも散見されます。

  • 保険証番号の自動取得で受付スタッフの手入力業務が減少。
  • 資格過誤によるレセプト返戻を防止。
  • マイナンバーカード利用の有無に関わらず、日常業務の安定化に寄与します。

4. 導入の壁と向き合う

「スタッフが慣れない」「高齢患者が使いこなせるか不安」「導入コストが高い」といった懸念の声も当然あります。
しかし、こうした課題を乗り越えてDXを導入したクリニックでは、

  • 院内オペレーションの明確化
  • クラークや受付の業務分担の最適化
  • 院長先生ご自身の時間確保 といった“確かな効果”が現れています。

特に整形外科は、患者数が多く業務フローが複雑であるため、DX化による効果が見えやすい診療科です。
最初から全てを導入する必要はありません。
できることから少しずつ始めることで、現場が混乱せずスムーズな導入が可能になります。

まとめ

DX化は「流行」でも「一部の大病院だけの話」でもありません。
これからの地域医療を支える整形外科クリニックにとって、必要不可欠な選択肢です。

患者さんに選ばれ続けるクリニックを目指す上でも、スタッフが安心して働ける環境を整えるためにも、いまこそDXを前向きに捉える時期に差し掛かっています。

私たちも、これからの先生の挑戦を全力でサポートいたします。
ご相談や導入支援をご希望の方は、いつでもお声がけください。