マネジメント
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目標の設定方法とは(SMARTゴールとMVV)

目標はどのように設定していますか?

「なんとなくの方向性はあるけれど、本当にこのような目標の立て方でいいのか?」と思っている先生方も多いのではないでしょうか。

そこで医院経営の目標設定に役立つ2つのフレームワークをご紹介します。

・ 医院経営にも使える「SMARTゴール」

目標は「立てること」以上に、「どう立てるか」がとても大切です。
たとえばこんな目標、医院で耳にしませんか?
「接遇を良くして、患者満足度を上げよう」

このままだと、良くなったかどうかの判断があいまいで、
行動に結びつきづらくなってしまいますよね。

そこで登場するのが、「SMARTゴール」という考え方です。
これは、目標を効果的に設定するための5つの条件をまとめたものです。

・SMARTゴールとは?

[S]
Specific(具体的である)
誰が・何を・どのくらいなど明確に

[M]
Measurable(測定可能である)
数字で評価できるように

[A]
Attainable(達成可能である)
無理すぎず、やる気が出るラインに

[R]
Relevant(関連性がある)
医院の方針や価値観と合っているか

[T]
Time-bound(期限がある)
いつまでに達成するかを明確に

<具体例で見てみましょう>

『☆4以上のGoogle口コミを毎月2件以上獲得するために、院内での接遇を強化し、会計時に受付スタッフが口コミ投稿の案内を行う』

というような目標を設定したとします。

ここで重要なのは、「☆4以上のGoogle口コミを毎月2件以上もらう」だけでは行動に繋がりにくいということです。

「誰が」「いつ」「どのように」という観点で、より具体的に落とし込むことがポイントです。

このようなときは、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって)を意識してみると良いでしょう。

例えば先ほどの目標であれば、2~3か月が経過した時点で、

・口コミの件数は増えたが、評価が低い
→接遇面や待ち時間の対応などの見直しが必要

・口コミの数自体が増えていない
→受付での声かけ方法や、案内ツールの改善が必要

といった具合に、進捗や結果に応じてアプローチ方法を柔軟に調整することが、目標達成へのカギとなります。
「☆4以上のGoogle口コミを毎月2件以上獲得する」という目標は、地域の信頼を得て選ばれるクリニックを目指すという医院の方針にも合致していれば、非常に有効な目標です。

なお、「毎月」と具体的に期限を設けていることもポイントです。
もしこれが「口コミを増やす」「☆4を目指す」といった曖昧な表現になってしまうと、行動が先延ばしになったり、効果的な対策が取りづらくなる可能性があります。

明確な目標設定は、クリニック全体の動きや成果を大きく左右します。
特にスタッフが自発的に動く組織をつくるには、「何を」「いつまでに」「どこまで」目指すかを、誰もが理解できる形で共有することがとても重要です。

内科クリニックでも、こうした具体的な目標設定を行うことで、患者満足度の向上や継続的な通院促進などに繋げていくことができます。

・“そもそも何のためにやるのか?”を定めるMVV

目標の立て方がわかったところで、もう一歩深堀りしてみましょう。
その目標は、医院として“何を目指しているか”に合っていますか?

ここで役立つのが、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)というフレームワークです。

これは、経営の指針や組織の軸を言語化する考え方で、
“目標をブレさせないための土台”になります。

・MVVとは?

[M]
Mission(使命):医院の存在意義
「なぜこのクリニックがあるのか?」を明確に

[V]
Vision(理想像):目指す将来像
「どんな医院になりたいか?」を描く

[V]
Value(価値観):行動指針
「その実現のために大切にする考え方」

<具体例で見てみましょう>

『地域のかかりつけ医として、安心できる医療を提供する』

というのは、地域医療を担うクリニックの存在理由を表した、ミッション(使命)の一例です。 
内科医院として、この地域でどのような医療を提供したいのか、どのような存在でありたいのかを言語化することで、医院の「軸」が明確になります。
その軸の明確にするために今回MVVを活用してみます。

Mission(使命):
生活習慣病や急性疾患の早期発見・適切な治療を通じて、地域の健康を支えること。
Vision(理想像):
赤ちゃんからご高齢の方まで、どの世代からも信頼される地域密着型の内科クリニックを目指す。
Value(価値観):
「親身に、わかりやすく、誠実に」―どんなときも患者さんに寄り添う姿勢を大切にする。

このようにMVVを定めておくことで、医院の方針や価値観がスタッフに浸透しやすくなります。 
スタッフ一人ひとりの行動に一貫性が生まれ、患者さんに対して提供する医療や対応にもブレがなくなります。

さらに、個々の目標設定や、チームでの改善活動を行う際にも、MVVが“判断基準”として機能します。
「この対応は、うちの医院のミッションに沿っているか?」 
「私たちの価値観に合った行動か?」 
といった視点が自然と根付き、自走できる組織づくりへとつながっていきます。

内科クリニックにおいても、明確なMVVは組織力を高め、患者さんにとって信頼される医院づくりの礎となります。 
ぜひ、スタッフと共有しながら、自院の“ありたい姿”を改めて考える機会にしてみてください。

・目標設定のポイントは「MVV×SMART」

医院として成長するために目指すのは、

・バラバラな個人目標ではなく、組織としての一体感あるゴール
・「やらされてる感」のある数字目標ではなく、“自分ごと”として達成したくなる目標

そのためには、MVV(理念や方向性)に沿った目標を、SMARTに設定することがとても効果的です。

この視点の転換が、医院の未来を変えていきます。
「なんとなくやる」から「意図を持って動く」へ。

・最後に

来年の目標を立てる方、
今年の目標はあるけれど、少し曖昧かも…という方も、
今回ご紹介したSMARTゴールとMVVを取り入れてみてください。

組織としての方向性を定め、一人ひとりの行動が明確になれば、スタッフも「達成する楽しさ」や「成長している実感」を得られ、

医院全体のモチベーションもぐっと上がるはずです。

ぜひ目標設定を“仕切り直す”時間をとっていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

目標設定の具体的な立て方や、クリニックの年間計画の作成方法については、無料の経営相談にて詳しくお伝えしています。

「何から始めればいいか分からない」「自院に合った目標を一緒に考えてほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。医院経営をより良いものにしていくお手伝いを、私たちが全力でサポートいたします。

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