マーケティング
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ジョハリの窓から考えるリピート率向上施策

クリニックの経営を安定させるためには、新しい患者さんを増やすことが重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
せっかく来院してくれた患者さんが一度きりで来なくなってしまうと、安定した経営は難しくなります。

たとえば、お風呂にお湯を入れていても排水栓が開いたままだと、水道代がかかり、いくらお湯を入れても溜まらないですよね。
これをクリニック経営に置き換えると、新患獲得に広告費をかけても、リピートにつながらなければ費用ばかりがかかり、収益が安定しないという状況になります。

●リピート率を高めることが安定経営のカギ

新患を集めることはもちろん重要ですが、「栓を閉める」(=リピート率を向上させる)ことも同じくらい大切です。

では、どうすれば患者さんのリピート率を高められるのでしょうか?

その一つの手段として、「競合クリニックにはない独自の魅力を高める」ことが挙げられます。

●患者さんが感じる「クリニックの魅力」とは?

まず、先生のクリニックの「強み」や「魅力」について考えてみてください。

先生が思い浮かべる魅力の例としては、

・患者さんの納得のいく検査を提供している
・患者さんに寄り添った治療説明を行っている
・最新の医療機器を導入している

などがあるかもしれません。

しかし、実際に患者さんがクリニックに魅力を感じるポイントは、

・待ち時間が少ない
・医師・看護師・スタッフの対応が丁寧
・待合室やトイレが清潔で快適

といった、単純な要素であることも多いのです。

そこで今回は、「ジョハリの窓」を活用したリピート率向上の方法についてご紹介します。

●ジョハリの窓を活用してリピート率を上げる

ジョハリの窓とは、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリ・インガム氏が発表したモデルです。
2人のファーストネームを取って「ジョハリの窓」と名付けられました。

このモデルは、「他人は自分をどのように捉えているか?」を理解し、自己認識を深めるために考案されたものですが、これをマーケティングに応用することで、クリニックのリピート率向上に活用できます。

●ジョハリの4つの窓

ジョハリの窓では、自分(クリニック)と相手(患者さん)の認識をもとに、4つの領域に分類されます。

1.開放の窓(自分も相手も知っている)
2.秘密の窓(自分は知っているが相手は知らない)
3.盲目の窓(自分は知らないが相手は知っている)
4.未知の窓(自分も相手も知らない)

それぞれの窓がどのような事例に当てはまり、どのように対応すればよいのかを詳しく見ていきましょう。

① 開放の窓(自分も相手も知っている)

これは、先生も患者さんも共通して認識している魅力の領域です。

例えば、

「待ち時間を短縮するために予約システムを導入しています」

などは先生の考える強みと患者さんの認識が一致している状態です。

この「開放の窓」を大きくすることで、患者さんからの信頼が高まり、リピート率が向上します。

② 秘密の窓(自分は知っているが相手は知らない)

これは、先生は強みだと思っているのに、患者さんには伝わっていない領域です。

例えば、

・内視鏡専門医による精度の高い検査を実施しているが、それを患者さんが知らない
・治療メニュー(いびき治療、アレルギー治療、漢方治療など)を導入しているが、認知されていない

この場合、ホームページやSNS、院内ポスター、リーフレットなどを活用し、積極的に情報を発信することが重要です。

患者さんが知らない魅力を伝えることで、「このクリニックなら安心して通える」と感じてもらい、リピートにつながる可能性が高まります。

③ 盲目の窓(自分は知らないが相手は知っている)

これは、患者さんは感じているが、先生が気づいていない魅力や改善点の領域です。

例えば、

「受付スタッフの対応がとても親切で安心できる」と患者さんが感じている
「トイレが清潔で使いやすい」と喜ばれている

逆に、

「診察は良いが、待ち時間が長すぎる」といった不満がある
「スタッフの対応がそっけない」と感じられている

このような自分では気づきにくい部分を知るには、患者さんの生の声を集めることが重要です。

そこで患者アンケートを活用することも一つです。

「当院の良い点を教えてください」
「改善してほしい点はありますか?」

このような質問を専用のフォームや紙のアンケートで実施することで、患者さんの本音を知ることができます。

また、Googleの口コミを確認するのも有効です。ポジティブな意見はさらに伸ばし、ネガティブな意見は改善に活かしましょう。

④ 未知の窓(自分も相手も知らない)

これは、先生も患者さんもまだ気づいていない領域です。

盲目の窓や秘密の窓を小さくし、開放の窓を大きくすることで、未知の窓にあった新しい魅力が発見されることがあります。

例えば、

・患者さんのニーズを探る中で、新しい診療メニューのヒントを得る
・スタッフの対応が強みだと気づき、それを前面に打ち出したマーケティングを行う

未知の窓は、未来の成長の可能性を秘めた領域です。
積極的に患者さんの声を取り入れ、新たな魅力を見つけていきましょう。

●まとめ

今回は、ジョハリの窓を活用してリピート率を向上させる方法をご紹介しました。

・患者さんの声を聞き、クリニックの魅力を的確に伝える
・知られていない強みを積極的に発信する
・改善点を把握し、より良いサービスを提供する

このような取り組みが、クリニックの安定経営につながるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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出典:マイナビ キャリアサーチLab
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