事務スタッフとナースの教育
おおよその医院様におかれましては、閑散期にスタッフさんの教育に注力されるケースが多いのではないでしょうか?
繁忙期が始まる前に、改めて教育について見直す時間を取っていただくと、来年の閑散期の教育がスムーズに進みますので、是非ご自身の医院の教育体制の見直しを行ってください。
今回採り上げるのは、教育の体制そのもののお話です。
テーマとしては、「属人的な教育からの卒業」ということで、医院での教育をいかに“仕組み化”できているかについて書かせていただきます。
まず始めにお考えいただきたいのは、
「ご自身のクリニックの教育の方法をご存じですか」ということです。
レジの締め方や、掃除の仕方など細かい業務の教育方法では無く、新人スタッフが入職した後、「どのようなスケジュールで」「どのようなポジションの方が」教育に当たるかを、先生方が自院のルールとして把握されているかということです。
もし教育のルールが作成されていなければ、
早急にルールを作成していただいたほうが良いでしょう。
次に、教育ルールの必要性についてお伝えします。
『いつ』『だれが』『何を教えるのか』『誰であれば教えることができるのか』が明確になっていないと、教育担当者に全てが委ねられることとなります。
このように、特定の方に教育を任せっぱなしにすることを「属人的な教育」と呼びます。
属人的な教育は、
・特定のスタッフに負担が集中する
・教育担当者のやり方が医院のやり方になる
・教育担当者が退職してしまうと、その後の教育が滞る
といった弊害が発生します。
実際に、ベテランスタッフさんに教育を丸投げしてしまっているような医院では、教育担当者に負担がかかりすぎて退職してしまうか、権力を振りかざして気に入らない新人スタッフに“教育”としてプレッシャーをかけ、退職に追い込むこともあるようです。
そうならないためにも、クリニックとして明確な教育ルールを作成し、
「属人的な教育」から卒業しましょう。
最後の「属人的な教育」から卒業するためのポイントをお伝えします。
1.教育スケジュールの作成
新人スタッフさんが入職した後に『いつまでに』『どの業務を』『どのポジションの方が教育するのか』が明確になる一覧表を作成します。
例 ) 事務スタッフ (教育担当 : 入社1年~2年目の先輩スタッフ)
・院内清掃の仕方 → 1週間 ・開院前の準備 → 2週間 など
看護師 (教育担当 : 先輩看護師)
・問診ができる → 2週間 ・医院独自のクリームを作ることができる → 2週間など
2.全員が教育できるようにする
スケジュールを作成しても特定の方に教育が集中するようでは意味がありません。
スタッフさん全員が教育できるようにすることで、突然の退職があった場合でも他の方が教育を続けることができます。
3.教育を若手に、確認をベテランに任せる
教育を若手スタッフに任せることで、若手スタッフの理解を促進することができます。
その上でベテランスタッフが習得具合を確認すれば、新人スタッフの教育状況の確認と、若手スタッフの理解の確認を同時に行うことができます。
このように教育を“仕組み”に任せることで、永続的な教育体制を築くことができます。
ぜひ今一度教育体制を見直していただき、改善点をリストアップしていただければ幸いです。