皮膚科医院におけるZ世代マネジメントのアプローチ

寒さの中にも春の気配を感じる頃となりました。
春といえば新生活のスタートとなることが多い季節ですよね。

クリニックにおいても入職や退職など、働くメンバーがガラッと変わったという先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新卒採用を行った先生方もいらっしゃることと思いますが、皮膚科・美容皮膚科の先生方におかれましては、若い世代のスタッフと良好な関係を築きたいと思われるものの、イマドキの若者の考え方や価値観の変化はよくわからない、どのようにしてスタッフ教育を行えばよいかわからないというところが本音ではないでしょうか?

今回は今後のクリニック運営において中核を担うであろう“Z世代”と呼ばれるイマドキの若者へのマネジメント理論・スタッフ教育についてお伝えいたします。
(Z世代とは、1990年半ばから2000年代に生まれた世代を指す言葉です。)

■Z世代のマネジメント

ポイント1:ソーシャルネイティブ
Z世代は、SNSとの親和性が高く、インターネットを「情報を収集する手段では無く、双方向コミュニケーションの手段」と認識している特徴があります。

そのため他の世代と比べるとインターネット上で自分から情報を発信することに抵抗が少ないようです。

これはクリニック経営において非常に優位な特徴で、皮膚科・美容皮膚科医院のマーケティングにおいて今や欠かせないLINEやInstagramなどSNSを活用した情報発信に適しています。
例えば、クリニックの公式LINEを活用してお役立ち情報やキャンペーン情報を発信されていたり、Instagramを活用して情報発信を行ったり、Instagram広告を出稿されたりしているケースがあります。
これらの情報発信において、スタッフさんが画像も作成しているというクリニックも見られます。

このようにSNSの活用をZ世代の方たちに任せてみてはいかがでしょうか。
Z世代の方たちは、SNSでの発信に慣れているためクリニックのSNSの管理に適した人材と言えます。
そして役割を与えることが、若いスタッフのモチベーションアップに繋がります。
スタッフ教育において、「任せてみる」ということもスタッフさんの自主性を育むうえで有効となる場合があります。

ポイント2:承認欲求が強い
Z世代は、SNSとの親和性が高いため「自分が周りからどのように見られているのか」ということに敏感なようです。

自分が投稿した写真の「いいね」の数を気にするように、自分の仕事はどのように役立っているのか、今行っている仕事に意味があるのか、周りにはどのように映っているのかなどの意識が他の世代より強いようです。

ですからSNS上の投稿に「いいね」を押すように、スタッフがしてくれた仕事を褒めたり、認めたり、承認してあげると良いでしょう。

スタッフ教育において、クリニックにとってだけでは無く、患者さんに対して自分の働きが役に立っている、と感じさせることができればより強くモチベーションを向上させられるでしょう。

ポイント3:多様性を受け入れる
Z世代は若い頃からインターネットを介して海外や様々な立場の人たちの考えに触れているため、年齢、性別、国などで差別することなく様々な価値観を受け入れることができます。

仕事においても、ミーティングなどで自身の意見を言ったり折衝の場面での活躍が期待できます。
しかし、多様性に合わせてハラスメントなどの問題にも関心が特に高いためマネジメントする側もハラスメントに当たる言動には今まで以上に注意が必要です。

ポイント4:自分らしく働きたい
Z世代は、多様な価値観を認めるので自身の個性も尊重します。

自分の価値観に合った仕事、職場で働きたいと考えており、仕事だからしなければならないという考えを嫌います。

また、Z世代は出世より「ワークライフバランス」が大切と考えており、プライベートの時間を重視し、残業などを極端に嫌う傾向があります。

そのため、医院全体での飲み会などコミュニケーションの一環として参加してほしいという気持ちはあるかもしれませんが、この価値観の違いを理解しておく必要があります。

■まとめ

業種を問わず採用難と言われる昨今、皮膚科・美容皮膚科の先生方もスタッフ採用が難しいと実感されていることだと思います。

そこで今回はスタッフの定着を目的にZ世代の特徴とスタッフ教育についてお伝えさせていただきました。

せっかく採用したスタッフが末永く働いてくれるよう本コラムの内容をご参考いただけますと幸いです。

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