接遇は筋力と心配りでできている

診療の品質や導入している設備などの医療的な側面と同様に、リピート率や患者満足度、今では新規患者数にも影響を与えるのがスタッフの接遇です。
Google口コミの影響が大きくなり幸か不幸か接遇も口コミの対象となりやすいため、接遇は新規患者数の増減を左右する重要な要素となっています。
どんなに先生方が良い診療を行っていても受付でスタッフが悪態をつくような対応をしていれば、満足度は低下し、当然患者さんは離れていくでしょう。
上記は極端な例ですが、意外に接遇に対し継続的に真摯に取り組まれているクリニックは少ないものです。
貴院では接遇の継続的強化に対してどのような取り組みを行われているでしょうか?
接遇には大きく3つのレベルがあります。
レベル1:体に覚えさせる接遇 基本編
レベル2:体に覚えさせる接遇 応用編
レベル3:心配りの接遇
今回奇妙なタイトルを付けたのはレベル1とレベル2は読んで字のごとく「体で覚える」必要があり、そのためには繰り返しのトレーニングが重要、そしてそれがまるで筋力トレーニングによく似ているからです。
レベル1、レベル2においては筋トレのように鍛えればほとんどの方ができるようになる一方で、筋力同様に継続的なトレーニングを怠ると、やがてその質は下がってゆきます。そのため、「継続的にトレーニングを行う仕組み」が重要となります。
ここからは上記の各レベルについてもう少し細かく説明します。
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レベル1:体に覚えさせる接遇 基本編
レベル1は言葉遣い、挨拶、お辞儀、笑顔といった診療中に必要な基本的なコミュニケーションスキルです。
皮膚科医院だからといったものではなく、「最低限の接遇」という表現が当てはまりやすいかも知れません。
レベル1の要素がしっかりと出来ていたとしても、今の時代ではそれをもって口コミが広まる、というほどの効果は期待できません。
しかし、このレベル1の要素に不備不足があると、満足度が低下して「もう二度と利用したくない」とリピートしてもらえなくなったり、「あそこのスタッフは対応が悪い」といった負の口コミが広がるリスクが増します。そのため、おそろかにせずしっかりと対応することが必要です。
レベル1の接遇はいわゆる「接遇研修」や「接遇セミナー」に定期的に参加することで接遇の筋力の向上や維持ができます。
弊社クライアント医院様に於いても、規模の大きなクライアントや、基礎接遇を重視するクライアントでは定期的に接遇講師を招へいしてスタッフに研修を受けさせています。
これまでそうした文化や仕組みが無い医院においても、保険医協会主催や接遇研修実施会社などが、現地開催・オンライン開催それぞれで研修を提供しておりますので、そうしたものに定期的に参加していただくことも1つです。
大切なことは新人はもちろん、ある程度のベテランスタッフの方も「接遇の筋力」を落とさないよう
継続的に研修を受けたりトレーニングを行う「仕組み」が大切なのです。
- レベル2:体に覚えさせる接遇 応用編
レベル2は、レベル1で身に付けた接遇の基礎を応用させ、「無意識でも実践できる状態」に引き上げる段階です。
例えば、小さな子供と話すときは自然としゃがむを無意識的に実践すること。これは単に優しさを表現するためではなく、皮膚科において多く来院される小児患者に対して目線の高さを合わせることで緊張をほぐし、診療をスムーズにするという戦略的な意図があります。
ここで、皮膚科科という診療科目の特性上、更に重要となってくるのが、「短時間での満足度向上」です。
皮膚科の主要疾患である湿疹やアトピー性皮膚炎、にきび、乾癬などは継続治療が前提ですが、外来は回転率が求められることから、一人の患者さんに長く時間をかけることは難しい現実があります。
そこで意識いただきたいのが、「承認のストローク」です。
資材を用いて効率的に説明する皮膚科医院様は多いですが、ただ資材の説明で終わるのは非常にもったいないと言えます。
皮膚のトラブルは見た目にも関係し、患者さんにとって精神的負担も大きいからこそ、前回よりも症状が改善している場合には、積極的に言葉にして伝えることが大切です。
「赤みがだいぶ落ち着いてきましたね」
「きちんとお薬を続けてくださった成果ですね」
「この調子なら、さらに良くなりますよ」
同じ説明でも、無味乾燥な情報提供と、承認を含んだコミュニケーションでは患者さんの満足度は大きく異なります。
どちらが「通い続けたい皮膚科」になりやすいかは明白です。
こうした声掛けに必要なことは、センスではなく、ある程度セリフを覚えてパターン化しておくことです。つまり、状況に応じたパターンをいくつか準備しておくことで、トレーニングすればだれでも実践可能となるよう、標準化していくことが大切となります。
レベル2の本質は、「やろうと思えばできる」ではなく、「自然とできる」状態を作ること。患者さんの努力を認め、治療が着実に進んでいることをしっかりと共有するような接遇が、皮膚科の診療において非常に重要な継続通院を支える重要な要素となっていきます。
様々な場面であらゆるスタッフが「少し気の利いた」説明や声掛けができる、そうした仕組みを整えている医院は、患者満足度を高める大きな要因となります。
- レベル3:心配りの接遇
レベル3は「臨機応変に」「個別対応ができる」接遇を指します。心配りは医療業界ではよく使われる言葉ですが、実践はなかなか一筋縄にはゆきません。患者さんに関心を寄せ、さらにアウトプットにも多くの引き出しが必要だからです。
特に皮膚科では、慢性的な皮膚疾患や見た目に関わる悩みを抱える患者さんも多く、その時々の心情に応じた対応が求められます。
そのため、繰り返しのトレーニングだけでは難しく、スタッフ同士で定期的に勉強会を開いたり他院や他業種において接遇や接客に優れた施設を訪問し、サービスを体験するなどして徐々にスキルを積み上げていく必要があります。
道のりは険しいですが、それでもこうしたスタッフが複数在籍する皮膚科クリニックはやはり接遇の評価や患者満足度が高く、それだけでリピートする原因となり良い口コミが記載されることはご理解いただけるかと思います。
千里の道も一歩から、まずはレベル1をしっかりと抑え組織としてレベル2を目指していただき、その先にレベル3の接遇にチャレンジをしていって欲しいと思います。

皮膚科におけるスタッフの接遇の向上や、口コミ対策、患者満足度を最大化するオペレーション体制などをお聞きしたい院長先生は、皮膚科専門のコンサルタントによる「無料経営相談」をご活用ください。







