院長先生が知らない会計待ち時間の真実と目安

この記事では、
「待ち時間改善のヒントとなる受付・会計の問題点」
「なぜ受付・会計の改善と効率化が重要なのか」
の2点をお伝え致します。

皮膚科医院にとって夏の季節(6~8月)は、その年の気温や天候によりますが、大変忙しい状況であることに変わりはありません。

繁忙期シーズン以外でも常にお忙しい医院様であれば、繁忙期は一層忙しい状況になっているでしょう。それだけ患者さんから支持されている証拠かと思われます。

そのような繁忙期に起こりがちな問題として、「待ち時間」があります。クリニックにとって「待ち時間」は改善すべき課題ですが、以下に「待ち時間」が発生する2つの状況を並べてみました。

【1】 待合室で長い間待っている患者さんが多い(診察までの待ち時間)
【2】 診療終了したはずの患者さんが待合室に滞留している(会計までの待ち時間)

それぞれの「待ち時間」が発生する原因を、【1】から順番に見ていきましょう。

【1】に関しては、先生の患者さん1人当たりの診察時間が長くなり、待ち時間発生しているケースが多いです。

【2】については、受付・会計の業務が院長先生から見えづらいこともあり、ご存知ない方もおられるかもしれませんが、現場ではよく起きています。特に受付・会計が忙しくなると、会計処理が後回しになり、診察が終わっているのに会計待ちの患者さんが溢れることになります。また、皮膚科だけでなく、耳鼻咽喉科や小児科など他の診療科目でも見受けられることです。

では、なぜ上記のような状況が起きてしまうのでしょうか?

【1】の場合、診察スピードが速いにも関わらず待ち時間が長くなる原因の一つは、受付業務に手を取られているからです。患者数に対して受付の処理が追い付いていない、医院への電話対応や会計処理などに追われ受付に回るスタッフが一時的に不在になっている、といった原因が考えられます。
他にも、問診票を入力・転記することに手間取っている可能性があります。転記する内容が多い、自由記入が多く判断が必要な項目が多いなども受付の処理が遅くなる一因です。
ただし、診察室内にも「診察は早く終わるが処置で時間を取られ、次の患者さんを呼び込めない」などの原因がある場合もありますので、一概に受付だけの責任とは言えません。

【2】の場合、主な原因は受付・会計になります。
診察が終了してカルテが回ってきているにも関わらず、会計ができる状態ではないということです。ただしこちらも、診察室からカルテが回ってくるのが遅いなど、診察室側に原因があることもありますのでご注意ください。
例 ) 患者さんに丁寧に説明しすぎて、カルテがいつまで経っても受付に回ってこない
受付が電話対応やその他の業務追われてしまい、会計まで手が回らない状況になっている

このように、「受付・会計」の業務改善ができれば多くの医院の「待ち時間」を減らす一つの方法となるでしょう。スタッフのスキルに左右される、とおっしゃる院長先生もいらっしゃいますが、そうではありません。もちろんスキルアップは重要な要素の1つですが、いくつかの改善ポイントを押さえれば、改善の余地は大いにあります。

また、医院によって異なりますが、ここで目安時間を1つお伝えさせていただきます。

< 受付から診察室(もしくは中待合室)に呼ばれるまでの待ち時間 >
・診察室での待ち時間⇒1分以内
・待合室と中待合での診察待ち時間⇒25分以内

<診察終了後、待合室における患者さんの待ち時間>
・待合室に患者さんが出てきて会計で呼ばれるまでの時間⇒3~5分以内

以上の内容をご参考に、患者さんの待ち時間の改善の参考にしていただければと思います。

来年の繁忙期は自信をもって「私たちの医院は大丈夫」と、おっしゃっていただけるようにご準備いただきたいです。

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