ファンをつくり出す繁忙期における皮膚科医院の診療体制

繁忙期における皮膚科医院の診療体制

気温が高くなるにつれて患者数が増える皮膚科の繁忙期においては、どのように診療体制を整えて患者さんの満足度を上げていくかを考える、絶好の機会です。
なぜなら、繁忙期によって増加した新規患者の満足度を高めて信頼を得ることは、自院のファンとなる患者さんを創造する最大のチャンスと言えるからです。
しかし、多忙な診療の中で、なかなか手が回らないという先生も多いのではないでしょうか。

皮膚科における繁忙期の課題

皮膚科医院が抱える繫忙期の課題としては、「診療効率化」と「患者満足度」のバランスを取ることが難しい点です。
診療効率だけを追い求めすぎては、患者さんの信頼を失ってしまうリスクも伴うため、繁忙期は特に患者満足度に関して注意が必要です。

では、クリニックが信頼を失うのはどういった時でしょうか?多くの先生方は「待ち時間が長いこと」を挙げますが、実際は待ち時間以上に深刻な問題があります。

  • 治療への納得感が得られないこと
  • クリニックへの安心感が得られないこと

これが患者さんの信頼を失う主な要因であり、「待ち時間が長いこと」は要素のひとつに過ぎません。
今回のコラムでは、皮膚科医院の信頼を高めて「ファンをつくり出す」診療体制の一例をご紹介いたします。

患者さんがクリニックのファンであるかどうかを判断する一つの基準として、患者さんからの信頼を勝ち取り、「皮膚科であればこのクリニックを家族や知人に紹介したい」といった状態であるかが挙げられます。

そこで、患者さんから信頼を得るために、他院と差別化を図る上で重要となるポイントを「ハード面」と「ソフト面」の2つに分解して考えていきます。

 

信頼を高めるポイント(ハード面)

ここでのハード面とは、主にクリニックの設備やIT環境の整備がされているか、ということを意味します。

まず、予約システムを活用することは、多くの先生方が気にされている「待ち時間」の課題を解決または緩和することが期待できます。
さらに、美容皮膚科を併設している場合には、美容診療に特化した予約システムを別途導入することで、クリニックの診療動線の整理と患者さんの利便性を向上させることが可能です。

また、自動精算機を導入することで、スタッフさんの会計時の業務負担が減って受付業務に専念できるようになるため、患者さんの待ち時間を短縮できます。
他にも、複数の患者さんが同時に会計できるようになるため、会計の流れがよりスムーズになります。
こうしたメリットによって利便性が向上することで、患者さんからの信頼を獲得することに繋がります。

  • 下記のような要素も患者さんの信頼と利便性を高めるハード面でのポイントとなります。

・明るく清潔感のある院内
・キッズスペースが設置されていて、子ども用のおもちゃが豊富
・自動再来受付機の設置
・WEB問診システムの導入
・LINEでの呼び出しシステムの導入

 

信頼を高めるポイント(ソフト面)

ここでのソフト面とは、主に「人」や「治療」への信頼を指します。

「人」に対する信頼はよく話を聞いてくれる、親しみやすい人柄である、丁寧に説明をしてくれるといったことから生まれます。
皮膚科に限らず、どの科目においても、医師やスタッフの接遇は患者さんからの信頼に直結します。

また、治療に対する信頼とは下記の要素で構成されます。

・疾患が治る(症状が軽快する)
・治療計画が明確である
・スタッフの知識が豊富である

特に繁忙期においては、効率良く患者さんを診療するために医師ではなくスタッフに説明を移譲することも非常に大切です。

医師でしかできないことを明確にした上で、スタッフから患者さんの知りたい情報を過不足なく伝えるための工夫は、繁忙期の皮膚科医院の診療体制を考える上で不可欠と言えるでしょう。

そして、特定の疾患に対して専門性が高いことや、最新技術を導入していることといった先進性も、ファンを創造する上では軽視できません。

皮膚科における「人」や「治療」への信頼は、オペレーション体制を見直すことで最大化することができます。
スタッフのサービス力向上も重要ですが、属人的な部分も多いため、「先生でなくてもできること」をいかに「仕組み化」するかがキモとなります。

 

サービス力が向上する診療体制

患者さんの信頼を高めて、繁忙期でも新規患者さんをファン化する診療体制は、どのように仕組み化すべきでしょうか。

それは、業務の目的や役割分担を明確にすることです。

例えば、事前問診であれば、問診におけるゴールを明確にして、「質問例」をいくつか準備しておくことで、問診内容の精度が向上し、スムーズな診療が可能となります。
さらに、「だれが」「どこで」事前問診を行うかという役割分担も重要となります。

患者さんへの声掛けにおいても、シーン別に仕組み化しておくことで、診察室内での患者対応時間を短縮しつつも満足度を上げるだけでなく、「次回予約率」の向上にも繋がります。

そして、診察終了時の説明体制を仕組み化することも、サービス力と診療効率を同時に向上するためには不可欠となります。
患者さんに対して、口頭で説明するだけでなく、揃えるべきツールを整備した上で説明体制を構築する必要があります。

「誰が」「どこで」説明を行うのか、役割を分担することで、患者さんの疾患への理解が高まって治療への納得感が高まるだけでなく、診療効率も改善することが可能です。

まとめ

皮膚科医院は、繁忙期に「診療効率化」と「患者満足度」の両立という課題を抱えています。
これらを解決し、繁忙期に増加する新規患者をファン化する要素は、待ち時間を短縮するだけではありません。

患者さんに対して、治療への納得感と、クリニックへの安心感を与えるような仕組みを導入することが、新規患者をファン化することに直結します。

皮膚科医院が導入すべき取り組みは、大きく分けてハード面とソフト面に分類されます。
ハード面では設備やIT環境を整備することが求められ、ソフト面では「人」や「治療」への信頼を高める診療体制が必要となります。

繫忙期に来院した患者さんが離反しない取り組みを早期に導入することは、閑散期の対策となるだけでなく、患者満足度を向上させて他の皮膚科医院と差別化し、ファンを創造することにも繋がります。

繫忙期こそチャンスであると捉え、院内の体制を見直しすることをお勧めします。

 

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