皮膚科ならではのホームページマーケテイング
この20年でインターネットは我々の生活にとって無くては成らないものとなり、インターネットによってあらゆる業界が構造の変化を強いられました。
当初は物販がインターネットでの生活スタイル変化の主役でしたが、現在では「飲食」や「観光」までインターネットにおける露出や口コミが大きく来客を左右する時代になっています。
その中で医療業界、特に医科や歯科の中での1次医療は大きくインターネットの影響を受けることになりました。皮膚科においても、新規患者の来院経路では住宅立地では口コミに次ぐ2位に「ホームページ経由」が占める医院が殆どであり、商業地立地においては弊社のクライアントの中でもホームページによってひと月に300人~500人程度の新規患者(無論再初診は含みません。)を集めるクリニックがいくつも現れてきています。
また、現在巷で話題となっている治療法をHPに詳細に掲載することで、それだけで遠方より毎月数十人の方が新規に治療を受けにお越しになられるような現象も当たり前になってきました。インターネットによる集患体制の有無やホームページの質・内容が、その後の医院の成長を大きく左右する、あるいは日々の診療の中での診察を行う疾患の構成比を変化させる結果となりました。(後者はわかりやすく言えば、アトピーをホームページで強く訴求すればアトピー患者の構成比率が高まる、という意味です。)
一方で良いことばかりのインターネットではありません。グーグルのクチコミで、低評価や
悪意のあるコメントを書かれたり、グーグルの検索におけるアルゴリズムアップデート、分かりやすく言えば、「検索順位を決めるルールの変更」がクリニックの来院数などにも
影響を及ぼすようになってしまいました。
<グーグルのクチコミへの対策について>
こちらは、貴院の名前をグーグルで検索した際に、PCであれば画面の右上あたり、スマートフォンなどであれば検索順よりも上に表示されるグーグル主導での医院紹介欄です。
良い口コミで埋め尽くされているならばそれはそれで嬉しいことなのですが悪い口コミも掲載されてしまうことが難点であるといえるでしょう。
こちらについて、まず出来ることとして、グーグルによって「禁止および制限されている」内容のクチコミについては、通報を行うことによって削除してもらえる可能性があります。
書かれている内容によっては申請をしても全く相手にされないこともあり成功率としてはそれ程高くないのですが、「これはおかしい」あるいは「明らかに中傷目的のコンテンツである」といったものは申請してみる価値はあるでしょう。
ただ、ここで削除されなかったものについては、訴訟を起こしてもグーグルは抵抗してくる場合が多いようで一筋縄にはいかないようです。
接遇などで、こちらに明らかに落ち度があるような場合には上記のグーグルマイビジネスより返信コメントを記載することも可能です。落ち度への謝罪と今後の改善などを記載することで閲覧者にクリニックに対して良いイメージを与えることができる可能性もあります。ただし、返信コメントの内容に依っては、かえって火に油を注ぐことにもなりかねないため、こちらは実行の際は慎重に検討していただいたほうが良いでしょう。
厚労省においてもネット上での医療広告規制強化の一環で、自院ではなくグーグルなど外部機関による口コミ掲載を問題視している旨、報道などでは出ておりますが、グーグルに対してはどこまで強く指導ができるか不透明なところです。
正当な口コミであれば止むを得ないですが、グーグルにおける負のクチコミは医療機関、さらに言えば保険診療を飲食業のような一般サービス業と勘違いして「(希望する)薬を出してくれなかった」「1時間以上待たされた挙句、専門外なので違うところへ行けと言われた」
など、やや的外れなコメントも多く、萎縮診療にもつながりかねないため、是非とも医療業界全体で取り組むべき課題であるように思います。
グーグルに生殺与奪をされているようで決して気持ちの良いものではないのですが、嘆いてばかりもいられません。やや小難しい話にはなりましたが上記を今後のWEBマーケティング対策、ホームページ作成や更新の際の参考としていただければ幸いです。