皮膚科医院における増患対策 (再診患者の正しい囲い込みとは?)
■【皮膚科医院における増患対策とは?】
多くの皮膚科医院において「患者数の増加(増患)」についての対策を考えた場合、
「いかに新規患者数を増加させるか」という集患マーケティングに着目している院長先生が多いのではないでしょうか。
例えば、皮膚科医院における新規患者数の増加(集患マーケティング)については
・ホームページを魅力的なものにした上で閲覧数を増加させる
・口コミのフックとなるマーケティングツールを使用する
・リスティング広告などのWEBマーケティングに注力する
などのマーケティング施策が挙げられます。
これらの取り組みはすでに実施されていらっしゃる皮膚科医院様も多く、新規患者数の増加施策(集患マーケティング)についてご存知の先生も多いと思います。
今回は「皮膚科医院における流出患者を減らす方法」をテーマに、
どのようにして患者さんに再受診してもらい、再診患者数を増加させるか、
といった患者数の増加(増患対策)についてお伝えしたいと思います。
なぜなら、皮膚科医院における患者数の増加(増患)を考える場合、
「新規患者数を増やす」だけでは無く、
「流出患者を減らす」ことも考えなければいけないからです。
よく使われる表現になりますが、
浴槽の栓を開けたままお湯を注いでもなかなかお湯が溜まらない、ということです。
ただし、ここでお伝えする再受診の施策とは、必要無い患者さんを頻回に通院させることではありません。
これは誤った再受診施策です。
このような施策では通院回数が増えるので、一時的には患者数が増加したように錯覚しますが、満足度を低下させ、中長期的には患者数を減少させてしまいます。
では、一体、どのような施策であれば「正しい再受診施策」として、再診患者数を増加させることができるのでしょうか?
【増患対策‐再診患者数の増加のための施策とは?】
皮膚科医院における増患対策の中で、
再診患者数の増加の根幹となるのは「患者満足度の向上」です。
まず、患者満足度を高める要素としては
・医師の説明がわかりやすいこと
・院内滞在時間が短いこと
・スタッフさんの接遇が良いこと
などが挙げられます。
ただし、この中の「接遇」の要素関しては
一定のレベルを超えた段階で、満足度への影響が少なくなってきます。
その点について詳しくお伝えしますと、
一般的に「このクリニックは感じが良いな」と感じてもらえるレベルの接遇ができている皮膚科医院と、ホテルのような素晴らしい接遇ができる皮膚科医院では患者満足度はそれほど大きく変わらない、ということです。
これは患者さんが医療機関に求めるものが病気の治療であって、ホテルのようなおもてなしのサービスを求めているわけでは無いためです。
ですから満足度を向上させる場合、スタッフ接遇を改善するだけでは無く、医師の皮膚疾患に対する説明内容の見直しや丁寧な治療計画の説明、院内滞在時間の短縮にも取り組んでいただければと思います。
これらの取組みを行い、患者様の満足度が高くなれば正しい再受診施策の基礎となる増患対策の準備は完了です。
次は患者さんに再受診してもらうための具体的な取り組みを始めましょう。
今回は患者さんに再診してもらうための取組みについて
(1)治療が継続している状態
(2)治療が終了(治癒)した後、再来初診としてリピートしてもらう状態
の2つに分けてお伝えしていきます。
(1)治療が継続している状態
治療が継続している状態で再診に繋げるためには、何よりも次回受診の必要性をしっかりと理解してもらいましょう。
これが抜けていると小手先のテクニックを使用しても本質的な改善には繋がりません。
患者さんに次回受診の必要性を理解していただく具体的な手段としては、スタッフによるアフターカウンセリングやツールを併用すると診療の効率化と患者満足度の両方でアプローチすることができるので良いでしょう。
(2)治療が終了(治癒)した後、再来初診としてリピートしてもらう状態
この状態でリピートしてもらうために、
最も重要なことは自院が最初に思い出される(第一想起される)ことです。
一度治癒し、通院が途絶えている場合、患者さんは再び受診先を検討します。
この段階で最初に思い出されると高い確率で自院をリピートしてくれます。
反対に思い出されなければリピート率が大幅に低下します。
ですからいかに患者さんに第一想起してもらえるか、が鍵となります。
単純に皮膚科を受診しただけでは医院名を目にする機会は受診時だけとなりますが、例えば医院の名前の入ったツールを配布することや公式LINEで定期的にメッセージを配信することで、「最低でも1年に数回は患者に医院名を目にしてもらう」という第一想起される体制を構築することが重要です。
またツールや公式LINEは安価に実施ができるので、どのような皮膚科医院様でも取組みやすい施策だと思います。
是非、既存患者のリピート率向上(増患対策)の取り組みのひとつとしてご検討ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。