治療満足度を最大化するための説明体制
「患者満足度の向上」は多くの先生が課題として認識されているのではないでしょうか?では、果たして患者満足度はどのように向上するのでしょうか。
多くの患者様は「この病気を治したい」という大前提をもとに初めての受診となり、一連の治療を終えた後、次回以降に通院する際には
「●●皮膚科のスタッフさんは他の医院よりも感じがいいからあそこにしよう」
など患者様ひとりひとりが独自の物差しで医院を図りながら、行動を決定しています。その中で患者満足度を上げるための1つの手法として、患者満足度を最大化するための説明体制があります。
患者満足度を最大化するための説明体制とはどのような体制でしょうか?
医師による疾患や治療の説明、看護師による生活の注意指導や、お薬の使い方指導など、説明自体は多岐に渡りますが、患者満足度が高い説明体制とは内容の充実はもちろんですが、説明される側の話し方や態度、そして患者を思いやる気持ちなどの接遇面が大切になります。この二つの要素を併せ持つ説明体制の整備が、患者満足度の高い説明体制といえます。
そしてこの説明体制を整えるには、医師や看護師などのスタッフの知識の習得や、接遇スキルの向上が必要となり、本人が自ら考え行動する主体性が必要と考えています。
それではこのような本人が自ら考え行動する主体性が高いスタッフを育てるにはどうすれば良いのでしょうか?
今回はそのようなスタッフが多く在籍する、全国のトヨタ販売会社の中で顧客満足度日本一を10年以上に渡り獲得し続けている「ネッツトヨタ南国」の事例をご紹介します。
「ネッツトヨタ南国」創業者横田氏曰く
「同業他社がつぶれても、自社はできる、残る、という風土をつくる。その上で必要不可欠なことは自社のことを愛している人間が数多く存在すること。その為に何よりも我々が注力していることは、人間力が高く主体的に動ける人間を採用することなのです。」
自燃性の高い社員を時間とコストをかけ採用し、短期ではなく長期で育っていくのを待つ。
(主体性を持たせるために育てるのではなく、育っていく、という発想なのだそうです。)
そのような社員が増えてくれば、自ら考え、行動する組織になる。結果として、同じトヨタ系列を含む同業他社も短期では真似ができない組織になる。
自動車ではなく、自転車で通りかかったお客様にもショールームの社員自らが駆け寄って、にこやかにご歓談をされていました。あのような素晴らしい対応をされると、車の質云々ではなく、「このネッツトヨタ南国で買いたい。」と顧客が思うのは十分納得できます。
他業種の事例ではありましたが、皮膚科医院の患者満足度を高める説明体制の構築、そしてクリニック全体の患者満足度を高めることにも存分に役立つのではないでしょうか?
弊社クライアントの皮膚科医院でも数年前から採用に注力されている医院は確実にスタッフのレベルが向上し、スタッフ自ら患者満足度の向上を思索し、行動に移す方が増えてきています。
皮膚科医院で大切なことは「仕組み」と「自燃性をもった人間力の向上」により「患者様に選ばれ続ける」ことです。
採用然り、患者満足度の向上然り、皮膚科医院経営も1日にして成らずです。
短期的な取組だけではなく、長期的な視点で医院経営に取り組めば、どのような競合が現れても恐れることはないはずです。