アフターカウンセリングや処置の業務委譲による看護師活用術

クリニックの繁栄にはスタッフの活躍は欠かせません。特に診療効率化と質の向上は、看護師や事務のスタッフによる活用はとても重要な要素といえます。このスタッフを活用する“仕組み”を構築したクリニックは著しく成長しています。
今回はこのスタッフ、特に看護師が活躍する“仕組み”の一つである“アフターカウンセリング”“処置”の業務委譲についてお話しさせていただきます。

“業務委譲”という“仕組み”の構築は、理事長や院長の時間を作り出すことに繋がり、ドクターとしての診療に加えて、経営や今後の戦略を考える時間を作りやすくなります。
そして“業務委譲”されたスタッフの業務遂行能力や各種スキルも高まるため、結果的にクリニック全体の成長に繋がります。

皮膚科における診察工程の中で、ドクターが行うべき項目は診察です。逆にそれ以外の項目は、看護師や事務に業務委譲させることでより効率の良い診察が可能になります。カルテ記入などは事務スタッフに委譲させるクリニックが多数であると思いますが、看護師には先ほど述べました“アフターカウンセリング”“処置”をぜひ委譲していただきたいと思います。

なぜ、“アフターカウンセリング”“処置”を委譲していただきたいかと言いますと、

・アフターカウンセリングによる各種説明(疾患の説明、生活上の注意、お薬の使い方など)
・処置(軟膏処置、イボ冷凍、鶏眼胼胝処置など)

はドクターの診察以外で比較的時間を要する項目であること、そしてこの2項目は患者さんとの距離が近くなり、会話をする機会が増えるので、丁寧な接遇を心掛けて実施していただくことで、患者満足度を高めやすくなります。こちらをドクター全てに頼ってしまうと、ドクターの負担が大きくなり、丁寧な接遇、説明、処置がしにくくなる可能性が高くなります。

そのためドクターの診察が終わった後は、その患者さんを看護師に任せ、看護師は説明会話や処置等を行う、ドクターは別の患者さんの診察を始める、そして診察が終わったらまた看護師に任せるという“仕組み”を整えれば、より効率的な診察が実現でき、かつ看護師の丁寧な説明会話や処置がしやすくなるので、患者満足度も高まりやすくなります。

上記のような業務委譲行うことで診察の効率と患者満足度が高まり、さらにクリニック全体の時間を作り出す“仕組み”が整えられるので、より繁栄した皮膚科医院を構築することが出来ます。特に来院患者数が比較的多い皮膚科はこのような工夫をするべき科であるとも言えます。

業務委譲の必要性を感じられている理事長や院長先生もおられるかと思います。その際どの業務から移譲すればわからないということであれば、“アフターカウンセリング”“処置”から始めていただくのも良いかもしれません。

患者数が落ち着き、余剰人員が比較的出やすい閑散期において、業務委譲を進めていただければ、次の繁忙期に向けてクリニックの“仕組み”を築き上げていただければと思います。

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