皮膚科医院でも浸透していないマイナ保険証の利用率を高めるには?
1 【現在のマイナ保険証利用状況】
2024年6月時点で公表されている、マイナ保険証の利用率(病院・医科診療所・歯科診療所・薬局)は2024年3月4.47% 4月6.56% 5月7.73%でした。
日本国民全体で考えれば1割にも満たない利用率ですので、利用率はまだまだ低い水準と言えるかと思います。
時間の経過と共に徐々に利用率は高まってはいますが、実際の現場の声を聞くと、患者、皮膚科医院においてマイナ保険証を利用しなくても不便を感じることもなく、従来の健康保険証も使うことができるため、マイナ保険証の利用率がなかなか上がりにくくなっているようです。
ただ今後の状況を考えると、皮膚科医院ではできる限り自院のマイナ保険証の利用率を高めておきたいところです。
2【皮膚科医院でマイナ保険証の利用率を高めておきたい理由】
(1)医療DX推進体制整備加算を算定するための実績確保
(経過措置令和6年10月~)
⇒実績が基準以下であれば算定できない可能性がある。
⇒令和6年の診療報酬改定に伴い、
「処方箋料」が8点引き下げられているため、何もしなければ
単純に1回あたりの診療単価が下がる
⇒診療で大きく手間を要せず算定できる
「医療DX推進体制整備加算」が算定できないことは
経営上マイナスになりやすく、
一般的な皮膚科医院においては代替えの算定項目が少ない
(2)患者がいずれマイナ保険証しか使えなくなる
(2024年12月2日以降、新規交付、再交付はされない)
(発行済みの健康保険証は廃止日から1年間利用可能だが、
(マイナ保険証を持っていない方には資格確認証が自動交付され5年間有効)
⇒実際はマイナ保険証がなくても健康保険で受診できるが、
2024年12月2日以降、マイナ保険証を使わない患者には
受付時にこれらの内容を患者さんに説明する機会が増える
⇒2024年12月2日までは大きな混乱は少ないと思われるが、
ここを境におそらく、従来の健康保険証が使えなくなる方が徐々に
増えるため、受付での質問が増えると思われます。皮膚科医院は他科目と
比較して、1日あたりの来院患者数が多い科目でもあるので、
受付スタッフの労力が増え、精神的負担も高まりやすいと思われ、
スタッフマネジメントが乱れやすく、また離職が増える可能性も
あるため、今のうちにマイナ保険証を利用されるように自院患者を
増やしておけば、「健康保険証使えなくなったけどどうしたら良いの?」
「この健康保険証使えるの?」という質問を受ける回数を軽減させること
ができるのではないかと思います。
3【どのようにして皮膚科医院でマイナ保険証を使ってもらうか?】
では、どのようにして皮膚科医院でマイナ保険証の利用を促進してもらうのか?
単純ですが、厚生省から案内されているチラシを配布しながらマイナ保険証を利用していただく「声掛け」を徹底することが重要なようです。
なぜなら患者さんはマイナ保険証を利用したくないわけではなく
・健康保険証がいつから使えなくなるか知らない方が多い
・現状は現行の健康保険証が使えるからマイナ保険証を使用する必要がない
という理由から健康保険証を使い続けている方が多いようですので、患者さんにお声がけいただきマイナ保険証の利用率を高めていただきたいと思います。
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