皮膚科医院に求められる中長期的な視点

皮膚科医院においては、医科診療所の中でもレセプト単価の平均点数が低く、「医業収入=レセプト枚数×レセプト単価」という公式から考えると、結果的にはレセプト枚数を増やすという視点を持たなければ、他の診療科目と比較すると、医業収入の確保ということは難しくあります。その為、開業されて間もなくであったり、しばらくしてからであっても、多くの院長先生が、「自費診療(美容皮膚科・美容形成外科etc)の導入」ということに関心を持たれる傾向にあります。
こちらに関しては、立地条件や競合医院の状況に応じて、導入すべきか否かは分かれることは事実としてあります。
(自費診療の経営体制については、詳細はコチラ

ただ、今回の記事で知っておいていただきたいことは中長期的な視点に立った場合、先生方はご自身の医院をどのようにしたいかということを改めてご検討いただきたいです。

まず皮膚科医院の経営の柱として、「保険診療と自由診療の売上比率及び患者比率をどの程度にしていきたいのか?」というところが最初の重要なポイントであります。
その比率が高い方に対して、どのように強化していくかが経営者である院長先生にご検討いただきたい内容です。

◎保険診療を中心に強化する場合

レセプト単価という地域に制限がある以上、レセプト枚数を増やすしか売上アップにはつながりません。そこで、まず院長先生としては「1人あたりの患者さんをどれくらいの診療時間で診療をして、1日何人まで見る」という数値での具体的目標を立てることが最優先事項です。

そして、自院をより強固な組織にするためにマーケティング(増患対策)を行うのか、患者満足度を下げずにオペレーション(診療効率改善)をするのか、という自院独自のステージを見直すことが重要になってくるでしょう。

◎自由診療を中心に強化する場合

まず競合の診療メニュー(種類・金額)が最優先事項です。2021年現在、「自費診療を導入すれば、患者さんが来てくれる」というメニューは多くの立地でなくなってまいりました。まずは地域に求められる商品、そしてそれらのメニューをいくらの金額で打ち出すかがキーポイントになるでしょう。
そして、同時にリピートしたくなる提案力、患者さんのニーズだけに応えていては新規の売上アップは厳しいでしょう。医師とスタッフが一丸となった提案力強化も重要になってきています。

自院の展望・状況に応じて、どの選択肢をとるべきなのかを把握して、皮膚科医院の経営にお役立ていただければ幸いです。

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